サニタリーバルブ

サニタリーバルブとは

サニタリーバルブ

サニタリーバルブとは、分解が容易で洗浄しやすく、衛生に配慮されたバルブです。

サニタリーバルブは、サニタリー配管と共に高い衛生管理を必要とする現場で多く用いられています。主な使用分野は、医薬品分野、食品分野、化粧品分野などです。雑菌や異物の混入を防ぐため、液だまりや凹凸が少なく汚れにくい構造になっており、洗浄が容易になっていることが特徴です。

サニタリーバルブの使用用途

サニタリーバルブは、主に高い衛生管理が求められる分野で、サニタリー配管と共に使用されます。主な使用分野は、医薬品分野、食品分野、化粧品分野、半導体分野などです。具体的な用途例には下記のようなものがあります。

  • 医薬品の製造現場における固形製剤 (粉体や錠剤など)
  • 乳製品、飲料、ビール、調味料、香料などの食品製造
  • 半導体分野における高純度薬液製造設備、フォトレジスト、ウエハー製造プロセス、洗浄液ラインなど
  • クリームなど流体状化粧品の製造

サニタリーバルブは、雑菌や異物の混入を防がないといけない分野で、高い衛生性の管理・維持を行う目的で使用されている部品です。

サニタリーバルブの原理

サニタリーバルブは、主に下記のような特徴があります。

  • 汚れが溜まらないよう、外側・内側に研磨処理がされている
  • 洗浄を容易にするため、着脱・分解・組み立てがしやすい
  • 液が溜まりにくい構造

サニタリーバルブでない一般的に用いられるボールバルブやバタフライバルブでは、接液部に部品の継ぎ目が来たりして液溜まりが発生することがあります。また、研磨処理をされていない金属素材では表面の微細なざらざらに流体が付着したり溜まったりしやすいです。サニタリーバルブは、高い衛生性を保つため、汚れにくい構造をしていることに加え、清掃性が高く、分解して隅々まで洗浄を行うことが可能です。一般的には衛生的なステンレス素材が用いられ、研磨処理をされて光沢のある質感となっています。

なお、特に頻繁にバルブの分解洗浄を行う乳業では、バルブの芯部分だけを脱着して洗浄する仕組みが採用されています。サニタリーバルブも通常のバルブ製品と同様に、ダイヤフラムバルブ、バタフライバルブなど、バルブ内の弁が動くことで流量を調整しています。

サニタリーバルブの種類

サニタリーバルブには、サニタリーボールバルブ、サニタリーダイヤフラムバルブ、サニタリーバタフライバルブなどの種類が存在します。

1. サニタリーボールバルブ

サニタリーボールバルブは弁体が球体状をしているバルブです。バルブハンドルを回すと、弁体である穴のあいたボールが回転し、90度ごとに全開と全閉となる仕組みです。

2. サニタリーダイヤフラムバルブ

ダイヤフラムバルブとは、ダイヤフラムという薄い膜の弁を開閉させて、流量を調節する仕組みのバルブです。密閉性が高く、流路内に液溜りを起こす部分がなく、細菌が入り得る隙間がありません。薬品を使う場面などで活用されるケースが多いですが、圧力が高い場所では使えないというデメリットがあります。

3. サニタリーバタフライバルブ

サニタリーバタフライバルブは、弁体が円盤状をしているバルブです。弁が回転することで流量を調整するため、ボールバルブ同様、手動で容易に液量を調整でき、一部の製品では電動やエア駆動もあります。弁体が薄いため、コンパクトな構造をしています。弁体がゴム素材の場合は、高温・高圧力条件で使用することはできません。構造が簡単でコンパクトな上、耐久性が高いため、非常に汎用されています。

サニタリーバタフライバルブの派生形で、サニタリータブレットバルブや、サニタリーロータリーバルブなど粉体用・錠剤用バルブも医薬品製造で使用されています。

参考文献
http://www.microzero.co.jp/column/144/
https://www.consuss.co.jp/feature/4258/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です