EVモーター

EVモーターとは

EVモーター

EVモーターとは、電気自動車に使われているモーターのことです。

電気自動車は、バッテリーに貯めた電気のみを使用して走行します。EVモーターは電気を使って駆動力を生み出す装置で、ガソリン車のエンジンと同じ役割を果たすため、車を走らせるうえでは必要不可欠です。

気候変動対策により、「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と日本政府も発表していることから、今後ますます需要が増えていくことが予想されます。

EVモーターの使用用途

EVモーターは、電気自動車を駆動させるために使用されています。自動車に搭載されているバッテリーの電気エネルギーを、モーターによって運動エネルギーに変換することで駆動させます。エンジンと異なり、電気エネルギーの90%を動力に変換することができ、効率よく使うことができます。

EVモーターは駆動時だけでなく、車の減速時などにも使用されます。電気自動車は搭載されているEVモーターによってブレーキ時に得た運動エネルギーを電気エネルギーへと変換するため、EVモーターは電気自動車のエネルギーを効率よく使うためにも欠かせません。

EVモーターは加速性能がよく、アクセルを踏んだ瞬間に最大トルクを発揮できます。また、エンジンのような往復運動を行わないため、走行音は静かで振動もほとんど感じられません。

EVモーターの原理

モーターの動力源となる電気には直流と交流があり、EVモーターでは交流が主流となっています。また、交流モーターの中でも、現在では永久磁石型同期モーター、巻線界磁型同期モーター、誘導モーターの3種類がよく使用されています。

1. 永久磁石型同期モーター

回転子に永久磁石を使用したモーターです。PMモーターとも言われています。永久磁石を回転子に使用することにより、二次銅損がなくなることから高効率で小型である点が特徴です。

2. 巻線界磁型同期モーター

回転子に電磁石を使用したモーターです。永久磁石型同期モーターは、モーターを動かしていない時でも電流を流し続けなければなりません。巻線界磁型のモーターでは、電力を流す必要のない所では、モーターに一切電流を流す必要がなく、電流量を少なく抑えることができます。

3. 誘導モーター

交流電源に直接接続して使用することができる非同期モーターです。構造がシンプルゆえに安価で、大容量化するほど効率が向上します。

EVモーターの構造

EVモーターは、直流及び交流モーターの2種類が販売されています。以前はEVモーターには直流モーターを使用していましたが、現在は構造の違いにより交流モーターが使用されています。

1. 直流モーターの構造

直流モーターはモーター内部にN極とS極、両極間に回転可能な電磁石を搭載しています。搭載されている電磁石に直流が流れ、N極とS極が反発し合うことでモーターが回転し、動作する仕組みです。

また、直流モーターは電流を流した際に一定方向に電磁石を回転させる必要があります。そのため、電流の向きを常に一定方向に変化させる整流子が欠かせません。整流子を搭載することで一定方向に電磁石を回転させられますが、モーターの騒音やモーターの早期劣化を起こしやすいデメリットもあります。

2. 交流モーターの構造

交流モーターにも直流モーター同様にN極とS極、電磁石が搭載されている点は同じですが、直流ではなく交流でモーターが動作します。また、直流モーターには欠かせない整流子の搭載も必要ありません。そのため、直流モーターに比べて騒音が少なく、耐久性も高いメリットがあります。

また、交流モーターにコンバーター装置を取り付けることでモーターの回転速度を細かく制御することが可能です。そのため、乗りやすさや快適性が求められている近年のEV車では細かな制御が行える交流モーターが主流となっています。

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