PMモーターのメーカー12社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
PM(Permanent Magnet)モーターとは、永久磁石を電磁石の代わりに、回転子すなわちローターに組み込んで採用したタイプの、モーターのことを意味しています。
まず、モーターを大きく区分けして扱いますと、モーターに交流を通電するAC(Alternative Current)モーターと、それに相対して、モーターに直流を通電するDC(Direct Current)モーターと、に分けて考えることができます。
そして、PMモーターは、モーターに交流を、通電している、ACモーターの中に区分けして考えることができて、特にその中でも、更に同期モーターに区分けすることができるのです。
このPMモーターは、永久磁石の研究及び開発、そして市場への導入が進むことで、それまでに使用されていた永久磁石よりも、更に磁力などが強い永久磁石が開発されるに伴いまして、新しく研究・開発され市場に広がった、永久磁石の特性を、最大限に生かせるものが、次々と開発されていくという歴史をたどってきました。
それ故に、一般的にPMモーターと一言で称しているのは、その時代で、最先端の種類であるだけでなく、その時点で最も世界中に普及している、PMモーターのことであると言えます。
最近では、PMモーターという言葉がさしているのは、インバーターと一緒に組み合わせて使用されており、なおかつ正弦波電流を用いることで駆動されている、 PMSM(Permanent Magnetic Synchronous Motor)永久磁石同期モーターを示していると言えます。
このPMSMは、インバーターに内蔵された駆動回路によってコントロールされ、すなわちインバーターと一体となって動かされているので、セットで配置されたインバーターの性能次第で、不随するPMモーターの性能が、どの程度活かされるかが、大きく左右されると言えます。
つまり、PMSMの発展は、インバーターの発展の歴史でもあるわけです。
化石燃料使用の増加による、二酸化炭素排出量増加により、地球温暖化が進み、地球温暖化対策の必要性が高まり、京都議定書が1997年に締結されて以降、二酸化炭素排出量削減につながる、省エネルギー化がより必要になりました。
その結果、電力という形で化石燃料を消費している、モーターにも更なる高効率化が求められるようになりました。
それ故に、自動車や電車、船舶、飛行機などの大型輸送機だけでなく、掃除機や洗濯機など一般的な家庭用の電化製品などの分野でも、特により効率の良いPMSMが、急速に幅広く普及するようになってきました。
PMモーターでは、電磁石ではなく、永久磁石が採用されているため、PMモーターの回転子すなわちローターには、2次電流が流れない構造となっています。
回転子に電磁石を用いている、誘導モーターを使用した際と比較すると、回転子で2次電流によって発生する可能性のあるエネルギーのロスをなくせます。
そのためPMモーターを、誘導モーターと対比した場合、更に省エネルギー化を図れて、高効率となることは、大きな長所と言えます。
PMモーターは、まず永久磁石を、ローターの具体的にどの場所に、設置するかによっても識別することができます。
まず、PMモーターの中でも、永久磁石を、ローターの表面に設置したものを、(SPMSM、Surface Permanent Magnetic Synchronous Motor)表面磁石型同期モーターと称します。
それに対して、永久磁石を、ローターの内部に、埋め込んで設置したものを、 (IPMSM、Interior Permanent Magnetic Synchronous Motor) 埋込磁石型同期モーターと称します。
次に、どのようなタイプの巻線方式を、スターターに、採用しているかによっても識別可能な状態にできます。
背景として、まず、PMモーターは、開発当初は数kW以上程度の、非常に大きな出力を得る必要がある際には、同期モーターのローターの全節巻方式で巻かれた巻線を、そのまま引き継いだ形で、永久磁石に置換した構造でした。
それ故に、誘導モーターのステーターと同様に、PMモーターのステーターも、開発当初は全節巻方式の巻線構造をしていたのです。
その後、DCモーターにおいて、ブラシレスの方式が開発されると、それの巻線方式が導入されて、PMモーターのステーターにも、集中巻線方式が採用されて、突起状の極に、巻線を集中して施すように変わっていきました。
その結果、集中巻線方式を採用したステーターは、全節巻方式のステーターと比較した場合に、銅損(巻線の抵抗成分によって、もたらされるエネルギーの損失)をかなり抑えることが可能になったため、さらなる高効率化及び省エネルギー化を達成しました。
また、集中巻線方式のSPMSMは、界磁回転が起こることでもたらされる、大きな逆起電圧が生成されてしまうため、最高回転速度に、どうしても限界が生じてしまっていました。
それに対して、ローター内部に磁石を埋め込む方式のIPMSMでは、設計段階で、最高回転数を、より柔軟にコントロールすることができるので、自動車などの大型輸送機の駆動用のモーターなど、より広範囲で回転数をコントロールする必要がある用途で、採用されています。
以上のことから、IPMSMには、次の4つの優れた長所があると言えます。
第1の長所は、リラクタンスのトルクが利用可能であるために、より高いトルクを実現することが可能であるという点です。
第2の長所は、弱め界磁(ステーターのコイルに電流を流すことによって、逆起電力の極限までの減少を可能にしたことよる)を利用可能になった結果、モーターの回転速度のコントロール可能な範囲が、更に大幅に広くなった点です。
第3の長所は、ローターの内部に、磁石が埋め込まれていることにより、かなりの高速な回転にも、問題なく対応できる点です。
そして第4の長所は、磁石の配置や形状を設計段階から、自由度がかなり大きく取れるため、トルク特性を、設計段階からかなり自由な範囲で、作り出せる点です。
このように、PMモーターは、それに付随する技術の更なる進歩とともに、次々と新しいタイプのものが開発されて、高効率化による省エネルギー化が進んでいくようになっています。
PMモーターは回転子に二次電流が流れないので、回転子にロスが発生しないです。この違いのため、誘導モータと比べ省エネルギーになります。
そのほかの点の違いは下記の通りです。
・体積面ではPMモーターは誘導モータよりもサイズが小さいです。
・効率と力率に関してもPMモーターの方が誘導モーターよりも優れています。
・誘導モーターは誘導をトルク成分としおり、PMモーターは磁石をトルク成分としています。
SPMモーターはSurface Permanent Magnetの略で磁石トルクだけが発生します。回転子は回転磁界と同じ速度で回転します。回転子の表面に磁石が張り付けられています。
特徴としては、有効磁束量が大きくトルクリプルが小さいです。そのため、高性能サーボ用途には活用できますが、高速な回転には適切ではありません。この課題に対応するために、超磁力分布を改善することでコギングトルクを低減させ、誘起起電圧も基本正弦波となります。
SPMモーターのステータ巻線が集中巻で校正されていますが、巻線の方法も格段に進歩をしています。
IPMモーターはInterior Permanent Magnetの略で磁石のトルクとリラクタンストルクが発生します。このことで、回転子は回転磁界と同じ速度で回転します。
IPMモーターは、永久磁石型の電動機です。発熱が小さく、放熱面積を小さくできます。この特徴のため、小型・軽量化が可能です。設定周波数に同期して回転するので、負荷が変動しても同期回転数は変わりません。
特徴として、高速回転に適応できます。磁器回路的に突極を吸引・反発するリラクタンストルクを活用できるので、磁石トルクとの合成トルクができます。磁石の形や配置の自由度が大きいので、渦電流損失及びヒステリシル損を少なくするための弱い界磁が可能となっています。最近では、HVやEVのモータに使用されています。
そのほかには、冷蔵庫やエアコンでも応用されています。
参考文献
https://www.e-mechatronics.com/mailmgzn/backnumber/201904/mame.html
https://www.ipros.jp/technote/basic-motor6/
https://www.e-mechatronics.com/mailmgzn/backnumber/201904/mame.html
https://www.orimvexta.co.jp/support/specialcontents/no5/
https://www.neomag.jp/mailmagazines/topics/letter201008.html
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
この商品は、電磁界及び強度の解析をした上で設計・新方式の固定子巻線を採用した小型・軽量のPMモーターです。
モーターを冷却する外扇を小さくした事により、騒音が出にくいのが特徴です。
永久磁石を使用する事でモーターの損失を減らした上に、モーター効率が87%以上のIE3及びIE4規格に当てはまっているので、非常に動作効率が良いです。
ECOHEARTを採用しする事でCO2排出量及び使用電力量を低減したので、環境に配慮した製品を使用したい事業者様に向いています。
この商品は、IE4レベルの効率を持ち、モーターの温度が上がるのを抑えてくれるBライズを採用したPMモーターです。
リラクタンストルクを有効に活用出来る様に磁石を配置したので、磁石の使用量が抑えられています。
磁極位置センサレス制御を採用した東芝汎用インバータの「PMモーター制御モード」で運転する事が出来るので配線の必要もなく、環境にも優しいです。
標準誘導モータと同じ寸法になっているので、従来品の置き換えを検討されている事業者様向けとなっています。
この商品は、永久磁石を使用する事でCO2排出量及び電力使用量を抑え、動作効率が飛躍的に上がった環境に優しいPMモーターです。
EDモーターベアリングは回転子が損失しにくく温度が上がりにくい為、誘導モーターのものより長期間使用出来ます。
また、温度を下げる外扇は水冷式にしたので、空冷式のものよりも騒音が出にくくなっています。
今までの誘導モーターよりも容積及び重量が半分以上小さくなっているので、設置する空間が少ない機械でも使う事が出来ます。
この商品は、PMモーターです。エンコーダやレゾルバ、ホール素子ICといったセンサー付きのもの、あるいはセンサーレスにも対応出来るPMモーターです。
ころがり軸受グリース潤滑方式を採用しているので、グリースの頻繁な補給も必要ない上に、密封装着が簡単に行えます。
また、コイル絶縁には耐熱クラス及びクラスHを使用しているので、非常に熱に強いです。
450kW程の出力が可能で400V程の電圧にも耐えられるので、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)等に使用出来ます。
この商品は、2.2〜300kWに対応した、定格回転速度が1150〜1750rpm程度のPMモーターです。
回転角センサにモーターを効率良く回転させるレゾルバを使用しているので、その分電力の消費量が少なくなっています。
欧州安全規格「CEマーク」及び欧州有害物質制限指令(RoHS)に準拠しているので、環境にも人にも優しい製品となっています。
機械制御を厳密に行う事ができ、樹脂やゴム生成機、クレーン、コンプレッサなどの機械に使用する事が出来ます。