ステンレス溶接加工

ステンレス溶接加工とは

ステンレス溶接加工とは、ステンレス材を溶接によって接合し、さまざまな形状や構造物を製作する加工サービスです

主にオーステナイト系 (SUS304) ・フェライト系 (SUS430など) ・二相系などのステンレス鋼種が対象となり、耐食性・耐熱性を損なわずに高品質な接合を実現します。ステンレスは熱伝導率が低く歪みが生じやすいため、TIG溶接・MIG溶接・レーザー溶接など、目的に応じた適切な溶接方法と条件設定が求められます。

また、溶接後の仕上げ処理として、酸洗い・電解研磨などの後処理を行うことで、耐食性の回復や外観品質の向上が図られます。食品機器や薬品設備など衛生管理が不可欠な分野では、溶接ビードの均一性や内部清浄性も重視され、強度・美観・衛生性を両立する高度な技術が必要とされます。

ステンレス溶接加工の用途

ステンレスは下記の用途で活用されます。

1. 食品・飲料製造設備

食品製造ラインのタンク、配管、架台、洗浄機などでは、衛生性と耐薬品性が求められます。ステンレス鋼は錆びにくく、洗浄性に優れているため、原料の貯蔵・移送に使用されるサニタリー性の高いタンク、ホッパー、配管ラインなどに利用されます。ステンレス溶接加工は、溶接部の平滑化や内部洗浄性の確保がしやすく、HACCP対応設備でも幅広く採用されています。

2. 化学・薬品・医療装置

高温、高圧、そして硫酸や塩酸といった強い腐食性を持つ化学物質に晒される環境下では、通常の鋼材ではすぐに劣化してしまいます。SUS316Lなどの高耐食ステンレス鋼を用いた熱交換器、反応槽、排気ダクトを溶接加工することで、設備の長寿命化を図り、予期せぬ故障によるプラント停止リスクを最小限に抑えることができます。

3. 建築金物・装飾金属部材

ステンレスは意匠性を重視するビルのエントランス、手すり、モニュメントなどの建築金物や、塩害地域での使用が想定される橋梁や海洋構造物の部品製造にも活用されます。ステンレス溶接加工は、造形自由度が高く、美観を重視した建築金物にも適しています。