ラバーシール

ラバーシールとは

ラバーシールとは、ゴム製のシール材を指し、ゴムの特性を活かしてパッキンやガスケット、オイルシールなど、幅広い分野で使われるものです。

気密性が要求される分野では、クッション性が要求されます。一方、液体の漏れの防止が主目的であれば、強度が高く耐久性の優れた材質が使用される場合が大半です。

また、ラバーシールには、用途に応じて最適なゴム材が使われています。例えば、屋外用の場合は耐環境性の良いゴムを使用しています。

ラバーシールの使用用途

ラバーシールは、各種特性のバランスがとれたニトリルゴム (NBR)を使ったものが多く、自動車向けのオイルシールをはじめOリングや耐熱ホース、ベルトなど幅広く活用されています。用途に応じて多くの品種が製造されているため、その中から取拾選択し、採用されています。

そのほか、シリコーンゴムを使ったラバーシールは、耐熱性をはじめ耐寒性、耐潤滑油性、耐水性に優れていることから、自動車の電装用コネクタガスケット、防水ガスケットなどに使われる場合が多いです。

ラバーシールの性質

ラバーシールは、各種ゴムからなっており、固体の物質間のすき間を埋める材料です。ゴムの弾性により、すき間に密着し、その間の流通を防ぐことができます。

ラバーシールで止められる流体は気体、または液体です。中でも、水または油のシールをする目的で使用されることが多いです。

ラバーシールの形態には、あらかじめ成形されたゴムを隙間に押し込んで使用するものだけではなく、液体状のゴムを隙間に注入し、固化させることで用いるものもあります。僅かななすき間が許されず、取り外しを前提としない用途では、充填型のラバーシール材が多く採用されています。例えば、建築用で使用する建材のすき間の防水用途には、充填型のラバーシールが最適です。

ラバーシールの種類

ラバーシールの中でもよく使われるのが、「ガスケット」「パッキン」「Oリング」などと呼ばれる種類です。

1. ガスケット

ガスケットは、固定用シールです。部品や配管などの接続部の密封に使用されます。ガスケットを接続部の間に挟み、ボルト等で固定することで、接続部の隙間を塞ぎ、内部を通る流体の漏出や異物混入を防止します。

使用環境や流体に合わせてガスケットの材質を選ぶことで、漏出やガスケットの劣化を防ぎます。

2. パッキン

パッキンは運動用のシール材です。パッキンは繰り返し着脱したり、回転や往復運動などを行う部品を密閉したりする際に用います。

パッキンの中でも、特に運動する部分と接するものは接触シールと呼ばれます。機械部品のオイルシールやポンプのグランドパッキンなどが接触シールです。

3. Oリング

Oリングは、主に部品などの溝に設置して用いるものです。ガスケットにもパッキンにもなります。円形で、気圧や水圧などの圧力を利用して流体をシールする自封作用を持ちます。一般的な水道の蛇口から、ステンレスの圧力容器まで広く用いられます。

ラバーシールの種類

ラバーシールの種類は、材質によっていくつかに分類できます。材質によってラバーシールの特徴は異なるため、用途に応じて最適なものを選ぶことが大切です。

1. ニトリルゴム (NBR)

機械的強度などの物性面をはじめ、コストなどの総合的にバランスのとれたシール材です。オイルシールやOリングなどに広く使用されています。

2. アクリルゴム (ACM)

耐油性や耐熱性、耐オゾン性に優れており、トランスミッションなど駆動系機器に使用されています。

3. ふっ素ゴム (FKM)

耐熱性をはじめ耐油性、耐燃料油性が他のゴム材料より優れており、エンジンや駆動系シール材として利用が拡大している素材です。

4. エチレンプロピレンゴム (EPDM)

耐熱性や耐オゾン性には優れているものの、鉱油系潤滑油に弱いことからブレーキ液用や水系液体シールに向いている素材です。

5. スチレンブタジエンゴム (SBR)

汎用ゴムの1つで、耐摩耗性には優れています。コスト面含めトータルバランスのとれた素材ですが、工業用油には不向きで、ブレーキ用シール材として使用されています。

6. ウレタンゴム (AU)

耐熱性をはじめ耐摩耗性、耐オゾン性などに優れています。硬度調整範囲が広いことで知られており、主に建機用などに使用されています。

参考文献
https://www.nok.co.jp/technology/seal/introduction/material.html

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