ロケートリングとは
ロケートリングとは、成形機と金型の位置合わせに使用されるリングです。
金型に2本もしくは4本で取付けられ、成形機のノズルと金型のスプルーの位置合わせを高精度に行えるよう作られています。成形機を金型へ取付ける際、ロケートリングは重要な役割を果たしています。
金型のスプルーブッシュと成形機の射出ノズルの位置ずれは、射出材料の漏出や成形品の不良につながり、大きなトラブルの原因となります。
ロケートリングの使用用途
ロケートリングは、射出成形機の射出ノズルとスプルーブシュの入口および金型の固定側取付板の穴との位置決めのため、金型の最上部へ取付けて使用されます。
射出成形機と金型の位置関係を高精度で確保する目的のほか、金型の射出成形機への取付けを容易に行うために使用されています。
ロケートリングの種類
現在、JISにおいてA形・B形・AJ形・BJ形の4種類が規定されています。2000年のJIS改正で、従来のA形はAJ形、B形はBJ形に変わり、新たにA形とB形が規定追加されました。
これは、将来的に変更 (ISOに準拠するため) になるまでの暫定として、混乱を避けるためです。従来規定されていた2種類をAJ形とBJ形として残しています。
現在のAJ形とBJ形は、ロケートリングの内側の形状によるものです。AJ形はテーパのないタイプ、BJ形はテーパとなっているタイプです。ロケートリングが使われるようになったのが射出成形機と金型の位置合わせであることから、篏合 (かんごう) を容易にできるテーパ付きも導入されたと推測されます。
機械加工の分野では、従来からテーパを利用して機械同士の篏合を容易にする手法が用いられています。ちなみに、改正後のA形はテーパのあるタイプで、B形は内穴すらないタイプと規定されています。