ジグボーラー

ジグボーラーとは

ジグボーラーとは、高い精度で穴あけや中ぐり加工を行う工作機械です。

一般的なボール盤やフライス盤と比較して、高い精度を実現するために機械本体が非常に剛性の高い構造で作られています。温度変化による寸法の狂いを最小限に抑える目的で、恒温管理された環境に設置することも少なくありません。これにより、μm単位での精密な位置決めを実現します。

ジグボーラーはテーブルをX、Y、Z軸それぞれに正確に動作する機構を備えます。これらの動作を高精度な測定装置によって厳密に制御し、目的の位置へ正確に工具を配置する仕組みです。元々は、他の機械加工の基準となる治具の穴を正確にあけるために開発された経緯から、ジグボーラーと呼ばれています。現在では治具製作にとどまらず、様々な精密部品の加工に不可欠な存在です。

ジグボーラーの使用用途

ジグボーラーは以下のような用途で使用されます。

1. 治具の製作

治具とは、部品を加工したり組み立てたりする際に、作業の精度や効率を向上させるために用いる補助工具です。例えば、ドリルで正確な位置に穴をあける際、ドリルの刃を案内するためのドリル治具などが挙げられます。この案内穴の位置がずれると、生産されるすべての製品が不良品になります。ジグボーラーはこのような基準となる治具の穴を極めて正確な位置に加工します。

2. 金型

自動車部品や家電製品などを大量生産する際に使用される金型は精密な部品から構成されます。特に製品の形状を決定づけるコアやキャビティなどがその一例です。ジグボーラーはこれらの金型部品における穴の位置や深さなどを設計図通りに寸分の狂いなく加工するために用います。これにより、高品質な製品の安定した生産に貢献します。

3. 精密機械部品

精密な測定機器の部品や、医療機器など、わずかな誤差も許されない分野ではジグボーラーによる加工が不可欠です。複数の穴の正確な位置関係が求められるプレート部品や、ギアボックスの軸受け部分の加工などが代表例です。高い幾何公差が要求される場合にその性能を発揮します。