吸着マット

吸着マットとは

吸着マットとは、油や水などの液体を素早く吸収するシート状マットです。

液体を効率的に吸収するために微細な繊維が何層にも重なった構造をしており、一度吸収した液体が外に漏れ出しにくい仕組みです。素材にはポリプロピレンのような化学繊維が用いられます。油を吸着する製品を指すことが多く、水を弾き油だけを吸収する疎水性という性質を持っているのが特徴です。そのため、水面に浮いた油の回収や、雨天時の屋外での油漏れ対策にも効果を発揮します。

一方で、水と油の両方を吸収する製品も販売されています。水溶性の液体が漏れた場合など、状況に応じて使い分ける必要があります。ウエスやおがくずと比較して自重の何倍もの液体を吸収できるため、少量で多くの漏洩に対応可能です。

吸着マットの使用用途

吸着マットは以下のような用途で使用されます。

1. 日常メンテナンス

工作機械や油圧装置などの周辺では、作動油や切削油などが漏れたり飛散したりすることがあります。このような機械の足元や油が垂れやすい箇所にあらかじめ吸着マットを敷いておくことで、床面への油の浸透や広がりを防ぎます。油で床が汚れていると転倒事故の原因にもなるため、吸着マットで労働災害の防止が可能です。

2. 緊急時対策

設備の故障や配管の破損など、予期せぬトラブルによって油が大量に漏洩した場合、吸着マットは汚染拡大を防ぐための緊急対策品として活躍します。広範囲に広がった油の上に素早く吸着マットを敷き詰めることで、回収作業を効率的に進めることが可能です。多くの工場では緊急時に備えて、すぐに使える場所に吸着マットを常備しています。

3. 部品清掃・保管

油で汚れた機械部品を分解・洗浄する際の作業台に吸着マットを敷くという用途もあります。部品から滴り落ちる洗浄液や、内部に残っていた油汚れをマットが吸収するため、作業台や周辺を清潔に保つことが可能です。これにより、作業効率が向上するだけでなく、清掃された部品が再び汚れてしまうのを防ぎます。