射出成形金型とは
射出成形金型とは、射出成形に使用される金属製の精密な金型です。
射出成形の仕組みは、まず、熱で溶かしたプラスチック材料を金型の中に高圧で注入します。その後、金型の中でプラスチックを冷却して固め、金型を開いて製品を取り出します。プラスチック製品の大量生産が可能であり、日常生活を支える欠かせない存在となっています。
製品の形を単に作るだけでなく、溶かしたプラスチックをスムーズに流し込むためのゲートや、固まった製品を金型から押し出すためのエジェクタピンなど、効率良く製品を生産するための様々な工夫が金型に施されます。高い圧力がかかるため、主に高強度な鋼鉄が材料に用いられます。精密な製品を作る場合、ミクロン単位の精度で加工・管理されることが多いようです。
射出成形金型の使用用途
射出成形金型は以下のような製品に応用されます。
1. 自動車部品
バンパーなどの大型部品や、ドアノブやライトレンズカバーといった細かな部品など、その多くが射出成形金型で製造されます。金属部品をプラスチックに置き換えることで車体の軽量化が可能になり、燃費の向上にも貢献します。また複雑な形状や曲線を自由に設計できるため、デザイン性の高い内外装部品の製造にも欠かせない技術です。
2. 家電製品・電子機器
テレビやエアコンなどの筐体や、内部の機構部品にも射出成形品が広く利用されます。スマートフォンやパソコンといった電子機器では特に、薄くて軽くかつ精密な部品が必要です。射出成形金型により、寸法の精度が要求される複雑な部品を、安定した品質で大量に生産可能です。
3. 日用品・医療機器
ペットボトルのキャップ・食品保存容器・文房具・おもちゃなども、その多くが射出成形金型によって作られます。低コストで大量に生産できるため、安価な日用品の製造に適しています。また高い精度と安全性が求められる医療分野でも射出成形金型が活躍します。注射器の本体や針のキャップ、検査に使う容器などがその一例です。