感圧センサーとは
感圧センサーとは、外力によって生じた圧力を電気信号に変換して検出するセンサーです。
生じる圧力の大きさや分布を測定して数値化することで、物体同士の接触状態の変化を正確に把握できます。センサーの原理はさまざまで、圧電効果を利用するタイプ、抵抗値変化を利用するタイプ、静電容量の変化を検知するタイプなどが存在します。
感圧センサーに似たものに荷重センサーがあります。感圧センサーが圧力という単位面積あたりの荷重を扱うのに対して、荷重センサーは作用する外力の全てを扱います。また感圧センサーは作用する力の分布を評価しますが、荷重センサーは全体の力や重さの総和を扱います。
一般的に、感圧センサーは感度が高い反面、環境の変化には弱いとされています。荷重センサーは耐久性が高いのが特徴です。
感圧センサーの使用用途
1. 医療用
医療分野では、患者の体圧分布やリハビリ時の歩行圧測定などに利用されます。例えば、ベッド上での褥瘡 (床ずれ) 予防のための、長時間同じ姿勢でいる患者の体圧を計測・分散させるシステムには欠かせません。また義足や義手のフィット感を最適化するために圧力を測定し、装具の調整に活用される例もあります。
2. 産業用
産業分野では、製造ラインでの製品加圧検査、ロボットの把持力制御、プレス機の圧力監視などに用いられます。感圧センサーを使うことで、部品の組み立て時に適正な力を維持でき、品質の維持に役立ちます。また自動車産業では、ブレーキやシートの荷重検知にも利用され、安全性と快適性の向上に貢献します。
3. 日常生活用
日常生活では、タッチパネルやゲームコントローラー、スマート家電の操作パネルなどに感圧センサーが組み込まれています。これにより、押す強さによって機能を変える操作や、軽いタッチでも正確な入力が可能になります。さらに電子楽器の鍵盤やドラムパッドにも使用され、演奏の表現力を向上させています。
4. スポーツ用
スポーツ分野では、選手のフォーム改善のための、足裏や道具のグリップの圧力分布を計測するシステムがあります。これにより、自身の動作のクセや荷重の偏りを選手が把握できるため、トレーニングの質の向上が期待できます。