ドックシェルター

ドックシェルターとは

ドックシェルターとは、物流施設や工場などで使用される、トラックと建物の搬入口との間を密閉するためのカバー装置です。

トラックが荷捌き場にバックで接車した際に、車両の周囲を囲い込むように設置され、外気や雨風の侵入を防ぎます。ドックシェルターは、単なる風除けではなく、倉庫内の温度管理・衛生管理・省エネ・作業環境の快適性確保といった複数の目的を兼ね備えています。特に、冷凍・冷蔵品を扱う食品工場や、精密機器を取り扱う製造業、医薬品物流など、温度・湿度・清浄度のコントロールが求められる現場で必須の存在となっています。

ドックシェルターにはさまざまなタイプがあり、トラックのサイズに合わせて柔軟に密閉できるパッド式、空気で膨らむエアバッグ式、出入りの際に開閉する可動式などがあります。

ドックシェルターの使用用途

以下に、代表的な使用業界とその用途を紹介します。

1. 食品業界

食品工場や冷凍・冷蔵倉庫では、温度管理と衛生管理の両立が求められます。ドックシェルターの使用により、トラック接車時の冷気漏れや外気の流入を防ぎ、庫内の温度の維持に貢献します。

2. 医薬品・化学品業界

温度や湿度の変化が品質に大きな影響を与える医薬品・化学品の保管・出荷施設でも、ドックシェルターは重要な設備です。薬品の異物混入や結露のリスクを軽減できるため、品質保証体制の一環として導入されています。

3. 精密機器・電子部品業界

湿気やほこりの影響を受けやすい半導体・電子部品・精密機器の製造・物流現場でも、ドックシェルターは欠かせません。外部環境からの遮断によって、製品へのダメージリスクを減らし、クリーンな荷役環境の実現に役立ちます。

4. 物流センター・倉庫業界

全国への配送拠点となる大規模な物流センターでは、さまざまな業種の商品が取り扱われています。近年では、エネルギーコストの削減や脱炭素の取り組みの一環のために、省エネ設備としてドックシェルターの導入が進んでいます。