ドックレベラーとは
ドックレベラーとは、主に倉庫や工場などの物流拠点で使用される荷役支援装置の一つです。
トラックの荷台と建物内の床面との段差を解消するための可動式の橋の役割を果たす装置です。物流現場では、トラックの荷台の高さが車種や積載量によって異なるため、そのままではフォークリフトやハンドリフトがスムーズに出入りできず、作業効率の低下や事故の原因になりかねません。ドックレベラーはこの段差を安全かつ効率的に埋めることで、トラックと建物をスムーズにつなぎ、荷物の積み下ろし作業をサポートします。
構造は、床面に設置される「ベースフレーム」、可動する「デッキ (本体プレート) 」、そしてトラックの荷台にかける「リップ」などで構成されており、主に油圧式、機械式、空気圧式の3つの昇降方式があります。
ドックレベラーの使用用途
ドックレベラーは、トラックと建物内の間に段差が生じる場所で広く使用されており、特に以下のようなシーンで欠かせない存在となっています。
1. 物流センターや倉庫での積み下ろし作業
もっとも一般的な用途が、パレット荷物や大型商品の積み下ろしです。フォークリフトがスムーズにトラックの荷台へ出入りするには、段差がないことが前提です。ドックレベラーがあることで、作業の中断や不安定な操作が減り、効率性と安全性が飛躍的に向上します。
2. 製造工場での資材搬入・製品出荷
原材料や製品の出し入れが日常的に行われる製造現場では、大型トラックと建屋を連結させるポイントとしてドックレベラーが使われます。特に出荷エリアでは、短時間で多くの車両に対応する必要があり、昇降スピードや耐久性なども選定のポイントです。
3. スーパーマーケットや食品工場
冷蔵・冷凍商品の搬出入では、庫内の温度を保つために短時間で作業を完了させなければなりません。ドックレベラーに加え、ドックシールやドックシェルターと組み合わせることで、外気の侵入や虫の混入を防ぎながら、安全な荷役が可能になります。
4. 小売業や通販業など、短時間高頻度の荷役作業
近年はECの拡大に伴い、短時間で高頻度なトラック搬出入が求められる場面も増えてきました。こうした現場では、迅速かつ安全に車両と建物をつなぐ装置として、ドックレベラーの役割がより重要になっています。