放射線測定器校正

放射線測定器校正とは

放射線測定器校正とは、放射線量を測定する機器の測定精度を確認・調整し、信頼性の高い測定結果を保証するためのサービスです。

校正とは、基準となる放射線源や標準測定器を用いて、測定器の表示値と正確な値とのズレを確認し、その誤差を把握・補正する行為を指します。これにより、測定器が常に正確に放射線量を示すよう維持され、作業者の安全確保や法的基準への適合が実現されます。

放射線測定器は経年変化やセンサーの劣化、外部環境の影響によって精度が低下する可能性があるため、点検及び校正を1年毎に適切に組み合わせて行う必要があります。校正サービスは、メーカーや第三者機関 (JCSS認定事業者など) によって提供されており、測定器を持ち込む「持込校正」のほか、測定器を送付する「宅配校正」、現地で対応する「出張校正」などがあります。

放射線測定器校正サービスの使用用途

放射線測定器校正サービスの使用目的は主に「正確な放射線管理」と「法令遵守」、そして「作業者の安全確保」です。以下に、代表的な用途を紹介します。

1. 原子力関連施設における作業環境の安全管理

原子力発電所、核燃料施設、研究炉などの施設では、作業員が放射線を取り扱うエリアに立ち入る際に、周囲の放射線量や個人の被ばく量を正確に測定・記録する必要があります。そのためには、サーベイメーターやポケット線量計などが正確に動作する状態でなければなりません。校正サービスを利用して、これらの測定器の誤差を把握・補正することで、労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則 (電障則) に基づく法令遵守が可能になります。

2. 環境放射線モニタリングにおける正確なデータ収集

放射線測定器は、原子力施設周辺や、過去に放射性物質が検出された地域において、空間線量率や土壌中の放射線量を測定するために使用されます。これらのデータは行政や自治体が発表する「環境放射線モニタリングデータ」として住民の安心材料となるため、使用する機器が正確であることは非常に重要です。

3. 医療施設でのX線漏えい線量の確認や線量計の定期管理

医療現場では、X線撮影装置やCTスキャナーなどを使用する際に、作業者や患者が不要な被ばくをしていないか確認する目的で放射線測定器が使われます。とくに、X線室外での漏えい線量のチェックや、個人線量計による職員の被ばく記録管理には、校正済みの正確な測定器が不可欠です。