フラットノズルとは
フラットノズルとは、液体や気体を平たく噴射するノズルです。
先端の噴射口が平らな形状をしており、扇形に広がる均一な流れを生み出します。この噴射形状により、円形に噴射するノズルと比較して、広い範囲にムラなく液体を散布したり、風を当てたりすることが可能です。勢いを一点に集中させるのではなく、広い面に対して均等に力を加えたい場合に有利です。
また、周りの空気を巻き込みながら噴射することで、少ないエネルギーで強力な流れを生み出すタイプもあります。材質は、用途に応じて耐薬品性や耐熱性に優れた樹脂や、耐久性の高い金属などが使われます。このように、特定の範囲を均一に処理する目的で、様々な場面で活用されているのがフラットノズルです。
フラットノズルの使用用途
フラットノズルは以下のような用途で使用されます。
1. 放熱材料塗布
ICチップなどの電子部品は動作時に高温になるため、適切な熱対策が不可欠です。フラットノズルは部品から発生する熱を効率的に外部へ逃がすための放熱材料を塗布するために使用されます。放熱グリスや接着剤などを、部品と冷却パーツの間に均一な薄膜で塗布することが可能です。これにより、熱伝導性を高め、部品の性能維持や長寿命化に貢献します。
2. ギャップフィラー充填
電子機器の内部では、部品同士の間に微細な隙間が生じることがあります。この隙間を埋めるために使用されるのが、放熱ギャップフィラーと呼ばれるペースト状材料です。フラットノズルを用いることで、熱伝導性を持つギャップフィラーを、厚みをコントロールしながら隙間に正確に充填できます。これにより、機器全体の放熱性を向上させることが可能です。
3. 精密コーティング
フラットノズルは薄く均一な塗布が可能であるため、精密なコーティング作業にも適しています。電子基板に防湿・絶縁を目的としたコーティング剤を塗布する際などが一例です。均一な膜厚で塗布することで、保護性能のムラを防ぎ、製品の信頼性を高めることができます。求められる塗布厚さに応じてノズルを使い分けることで、様々なコーティングに対応します。