フランジキャップ

フランジキャップとは

フランジキャップとは、配管や機器の端部にあるフランジを一時的または恒久的に密閉・保護するための部品です。

一般的にプラスチック (PE、TPEなど) 、ゴム、金属などの材質で作られており、手軽に装着・取り外しができる構造になっています。サイズや形状は、JIS B 2220 (鋼製管フランジ) やJIS B 2239 (ステンレス鋼製フランジ) などの規格に基づいたフランジ寸法に対応するように設計されており、各種の呼び径や圧力仕様に合わせて多様な製品から選ぶことが可能です。

フランジキャップはフランジの“フタ”としての役割を果たし、工場内の配管設備、建設現場、輸送・保管中の製品など、幅広い場面で活用されています。工具不要でワンタッチで装着できるタイプも多く、再利用が可能なものもあります。

フランジキャップの使用用途

フランジキャップは、主に以下のような使用用途で活躍しています。

1. 配管端部の保護

配管の工事中や組立前、または納入前の機器において、フランジ端部を異物の侵入や傷、腐食などから守るためにキャップを取り付けます。特に保管時や運搬時には、ホコリ、水分、虫、異物の混入を防止することで、後工程の品質保持やトラブル回避に繋がるものです。

2. 一時的な封止

工事工程の中で、一時的に流体の供給を遮断したい場合や、まだ接続されていない配管口を仮封する際に使用されます。高圧流体や腐食性流体を扱う現場では、専用材質のキャップを用いることで安全性を確保します。ボルトで固定する必要がないのも特徴の一つです。

3. 輸送・保管中の保護

機器や配管部材を遠方へ輸送する際、フランジ面を密閉しておくことで、錆や汚れの付着を防ぎ、到着後すぐに使用できる状態を保ちます。特に海上輸送など湿度や塩害が懸念される環境では、フランジキャップの装着が欠かせません。

4. 安全対策

開口部が露出したままのフランジは、エッジが鋭く、作業者が誤って接触すると怪我の恐れがあります。フランジキャップを装着しておくことで、物理的な接触を防ぎ、安全な作業環境を整えることができます。