SBOMツールとは
SBOMツールとは、ソフトウェアを構成する部品一覧を自動で作成し、管理を支援するソフトウェアです。
SBOMはSoftware Bill of Materialsの略であり、製品内に含まれるライブラリやフレームワークなどの部品名、バージョン、取得元を一覧化した明細書です。ハードウェアにおける図面に相当する情報を提供することで、第三者が内容を正確に把握できます。これにより、品質と安全性の裏付けが可能です。
SBOMツールはソースコード解析や依存関係の解決アルゴリズムを組み合わせ、対象製品のビルド工程から部品情報を収集します。生成されたSBOMは標準フォーマットで出力することが可能です。これにより、開発段階からリリース後の保守フェーズまで、同一形式で情報を更新し続けるように運用できます。
SBOMツールの使用用途
SBOMツールは以下のような用途で使用されます。
1. コンプライアンス・ライセンス管理
SBOMには各部品に適用されるライセンス条件が明示されます。生成した明細とライセンスデータベースを照合し、利用許諾の有無などを検知することが可能です。自動生成された履歴は監査証跡としてそのまま提出できます。開発段階で違反を把握できるため、組織の法的リスクを抑制できます。
2. 脆弱性対応
SBOMに記載されたバージョン情報は、脆弱性データベースと機械的に突き合わせることが可能です。SBOMツールは既知の脆弱性部品を自動でリスト化し、優先度に応じた対応計画を提示できる製品も販売されています。この機能により、セキュリティを強化することが可能です。
3. 品質保証・内部プロセス効率化
SBOMツールにより、部品情報の確定版を作ることが可能です。品質テスト計画を立案する際の指針となります。また、部品単位の差分が把握しやすくなるため、レビュー作業が属人化しないように工夫ができ、開発全体の可視性を向上させます。結果として、チーム間のコミュニケーションに係る時間を削減できます。