ポリエチレングリコールとは
ポリエチレングリコールとは、エチレンオキシドを連続的に結合させて生成された合成ポリマーです。
親水性が高く、様々な液体によく溶ける特徴があります。分子量の異なるグレードが存在し、それぞれ粘度や融点、溶解性などの物性に差が生じるため、用途に合わせて選定します。粘性は低分子量ではさらさらした液体で、高分子量になるほど半固体や固体に近づきます。取り扱いやすく、安全性が高いことで知られています。
また、水に溶ける性質を生かして液体製品に均一に混ぜやすく、溶剤や保湿成分としての使用も可能です。分子構造が単純であるため、加工段階での化学的な反応が起こりにくい点も特徴です。劣化しにくく、温度変化や酸化に対してある程度の安定性を備えています。
ポリエチレングリコールの使用用途
ポリエチレングリコールは以下のような用途で使用されます。
1. 化粧品・衛生用品
化粧品やスキンケアなどの分野で広く活用されます。保湿性と伸びの良さを高めるための成分として活用され、製品の使用感を向上させます。無色透明でにおいが少ない点が好まれ、クリームやローション及びシャンプーなど、幅広い製品に配合されます。また、水溶性が高いため洗い流しやすく、使用後のベタつきを軽減できる点も利点です。
2. インク・塗料
インクや塗料、接着剤などの工業分野でも使用されます。ポリエチレングリコールは粘度を調整しやすく、乾燥後も均一な膜を形成しやすい性質を有します。熱や酸化による変質が比較的起こりにくいため、耐久性を向上させことも可能です。製品の性能を安定させる粘度調整剤などの役割で、多くの製品に採用されます。
3. 医療・製薬
ポリエチレングリコールは毒性が低く、生体への影響が比較的穏やかな点が特徴です。したがって、錠剤のコーティング材や注射剤などに活用されます。体内での吸収速度を調整したり、成分を安定化させたりする目的でも用いられます。また、水分量を調整できる特性から、便秘治療薬にも使用されます。