ダイヤモンド電極

ダイヤモンド電極とは

ダイヤモンド電極とは、電気化学的反応で使用される特殊な電極の一種です。

特に「ホウ素ドープダイヤモンド (BDD) Boron-Doped Diamond) 電極」と呼ばれるものが多く、人工的に合成されたダイヤモンドにホウ素を添加することによって電気伝導性を持たせています。ダイヤモンドは通常では絶縁体ですが、ホウ素を添加することによって半導体や導体としての性質を得ることができ、これにより電極材料として活用することができます。

ダイヤモンド電極は、耐食性・耐薬品性に優れ、電位窓という電極が電気化学反応を起こす範囲が広いのが特徴の一つです。これらの特性により、従来のカーボン電極や金属電極では難しかった高精度な分析や処理が実現できます。

ダイヤモンド電極の使用用途

ダイヤモンド電極はその優れた特性から、さまざまな分野で活用されています。代表的な用途には以下のようなものがあります。

1. オゾン水の生成

ダイヤモンド電極の用途の一つに、オゾン水の生成が挙げられます。オゾン水は酸化作用が強く、殺菌や防カビ、脱臭などの効果が得られるものです。反応後のオゾン水は酸素になるため、安全性が高いことも特徴の一つです。

2. 水処理・廃水処理

電解酸化法により、有機汚染物質や難分解性の化合物を効率的に分解できます。重金属や薬品を用いずに処理できるため、環境負荷の低い水処理技術として注目されている技術です。

3. 半導体の洗浄、樹脂めっきの前処理

ダイヤモンド電極を使用して電解硫酸液を作り、半導体ウェーハ表面の洗浄に用いられています。電解硫酸液は再利用ができるので、廃液の量を減らすことができるのもメリットの一つです。またこの電解硫酸液は、樹脂めっきの前処理にも使用されています。

4. 次世代パワーデバイス

ダイヤモンド電極は次世代の半導体パワーデバイスとしても利用が期待されています。従来のシリコンなどを素材にした半導体に比べると、放熱性や耐電圧性に優れているのが特徴です。