バスダクトとは
バスダクトとは、電気を大量かつ効率よく送るための配電設備です。
金属製の筐体の内部に、銅やアルミ製の導体 (バスバー) が一定の間隔で固定されて並んでいます。この構造により、外部からの衝撃や湿気、ほこりなどから導体を守りつつ、安全かつ安定した電力供給が実現します。
また導体同士は絶縁材で区切られており、必要に応じて遮断器や分岐ユニットを組み込むことも可能です。絶縁体は耐熱性や耐湿性のある材質が選ばれています。これにより、配電経路の変更や増設が容易になり、建物の電源設計に高い柔軟性を持たせることができます。
バスダクトは、通常の電線よりも省スペースで済み、施工期間の短縮やコスト削減にもつながるものです。また、過負荷や短絡に強く、火災リスクの低減にも寄与するため、安全面でも高く評価されています。
バスダクトの使用用途
バスダクトは主に大規模設備で用いられるもので、多様な分野で利用されています。
1. 工場・産業施設
工場やプラント施設では、大型モーターや生産ラインへの大電流供給に活用されます。設備の増設やレイアウト変更にも対応しやすく、生産効率を高める役割を担うものです。
2. 高層ビル
高層ビルや商業施設では、幹線配電にバスダクトを使用することで、建物全体のエネルギー効率向上や配線管理の簡素化が図られています。火災時の安全性確保や非常用電源への迅速な切り替えにも対応可能です。
3. データセンター
データセンターやサーバールームでは、電力負荷の変動に対応するため、モジュール型バスダクト (プラグインタイプ) が用いられ、設備拡張や変更がしやすくなっています。
4. 病院・医療施設
病院や研究施設でも、重要機器への安定した電力供給が求められるため、信頼性の高いバスダクトが選ばれています。
5. 商業施設
ショッピングモールなどの大型商業施設も、バスダクトが使用される施設です。モール内にあるそれぞれのテナントに電力を供給するために、バスダクトは重要な設備です。