液晶ポリマーとは
液晶ポリマー (LCP) とは、溶融時に分子の直鎖が規則正しく並ぶ熱可塑性樹脂です。
分子が規則的に配列することで高い機械的強度や耐熱性、寸法安定性を備えており、電子部品や精密機械部品に広く活用されています。
また、低吸水性や耐薬品性も有していることから、過酷な環境下でも長期間使用し続けることが可能です。加えて、高周波特性に優れるため、通信機器や自動車の電子部品として重要視されています。
液晶ポリマーの使用用途
液晶ポリマーは、その優れた特性を活かし、多くの産業で利用されています。特に、高周波特性や耐熱性、機械的強度が求められる分野では多く利用されています。ここでは、代表的な用途を3つ紹介します。
1. 高周波電子機器の部品
液晶ポリマーは、低誘電正接を持っており、信号伝達の損失を最小限に抑えることができるため、通信機器の基板やコネクタに使用されています。また、高温環境下でも形状変化が少なく、熱膨張率が低いため、長期間の安定運用が可能です。身近な例だと、PCやスマホ、タブレットなどに使用されているコネクタに液晶ポリマーが使用されています。
2. 自動車用の電子部品
液晶ポリマーは、車載用のコネクタやインダクタ、抵抗などに使用されています。液晶ポリマーが持つ耐熱性と耐久性を活かし、高温になりやすい自動車の部品に活用されています。液晶ポリマーは、エンジン周辺の高温環境下でも性能を維持し、性能や安全性を向上します。また、液晶ポリマーは耐久性がありながらも軽量であるため、燃費向上にも貢献しています。
3. 医療機器
液晶ポリマーは、手術器具やインプラントの材料として使用されています。耐薬品性と生体適合性に優れていることから、人体への影響が少なく、安全に使い続けることが可能です。また、液晶ポリマーは、MRIに対応しています。MRIに対応した非金属の代替品として、これまで金属で製造されてきた部品が、液晶ポリマーで作られていることもあります。