地域冷暖房

地域冷暖房とは

地域冷暖房とは、地域に属する複数の建物に対して、一括で冷暖房を供給するシステムです。

エネルギープラントで冷水や温水、蒸気を生成し、配管を通じて各施設に供給します。これにより、建物ごとに電力を消費して冷暖房整備を稼働させる必要がなくなります。

また、地域冷暖房を使用すれば、ごみ焼却施設や工場排熱などといった個別利用が難しいエネルギーを利用して冷暖房設備を稼働することが可能です。これにより、エネルギー生産効率を高められ、省エネルギーに役立ちます。

地域冷暖房の使用用途

地域冷暖房は、エネルギー生産の効率化や環境負荷の低減を目的として、さまざまな施設で利用されています。以下に代表的な使用用途を紹介します。

1. 商業施設・オフィスビルの冷暖房

商業施設やオフィスビルに地域冷暖房を導入すれば、各建物ごとの空調を使用するよりも効率的にエネルギーを生産し、利用できます。地域冷暖房を導入すれば、地域規模での省エネルギー化や運用コストの削減が可能です。

例えば、大規模ショッピングモールでは、テナントごとに空調設備を設置する代わりに、地域冷暖房による一元管理を行うことで、管理コストが低減します。また、個別に冷暖房設備を設置する必要がなくなるため、初期投資の費用が抑えられます。

2. 未利用エネルギーの活用

地域冷暖房は、従来利用が難しかった未利用エネルギーを活用する手段としても有効です。例えば、ごみ焼却施設や工場の排熱を利用することで、従来廃棄されていたエネルギーを有効活用できます。また、下水処理施設や地中熱、河川水などの温度差を利用して、エネルギーを生産することも可能です。化石燃料を消費することなくエネルギーを生産できるため、持続的な社会の実現にもつながります。

例えば、都市部のごみ焼却施設には、焼却時に発生する熱エネルギーを地域冷暖房に活用し、近隣の公共施設へ温水を供給するシステムがあります。これにより、エネルギーコストの削減と環境負荷の低減が同時に図れます。