複合繊維とは
複合繊維とは、2種類以上の異なる繊維を人工的に組み合わせた糸や素材です。
糸や素材のそれぞれの長所を生かすことで、それぞれの短所を補うことを目的としています。特徴は伸縮性に優れていることや薄くて丈夫な生地に仕上がること、染色性・生地の柔らかい風合いを実現できることなどが挙げられます。スポーツウェアやアウトドア用品、生活関連用品、医療用品など多くの製品に活用され、日常生活の中でも様々な場面で役立てられています。複合繊維の具体的な例は、天然繊維の綿と化学繊維のナイロンを組み合わせた糸、高強度繊維のアラミドとナイロンやポリエステルなどの汎用繊維を組み合わせた素材、炭素繊維を樹脂 (主にエポキシ樹脂) で固めた炭素繊維複合材料 (CFRP) などです。
複合繊維の使用用途
複合繊維は以下の用途で使われています。
1. スポーツ用品
スポーツ用品ではゴルフシャフトやテニスラケット、釣り竿、自転車部品などに使われています。複合繊維は加工糸と比較すると軽量性や剛性、伸縮性などの機能性に優れていて、スポーツ用品でもその利点が活かされています。スポーツ用品のそれぞれのパーツをしっかりと繋ぎ合わせることができる上に、人間の動きにも充分に耐えられます。
2. 日常生活用品
日常生活用品では眼鏡・サングラスフレーム、ヘルメット、鞄、家具などに使われています。このように、日常生活の中で頻繁に使うものの中には複合繊維の製品が多くあります。
3. 航空宇宙産業
航空宇宙産業では航空機構造材やヘリコプター、ロケット部品、人工衛星部品などに使われています。炭素繊維複合材料 (CFRP) やグラスファイバー強化ポリマー (FRP) 、アラミド繊維強化ポリマー (AFRP) など色々な複合繊維が役立てられ、機体の強度向上や軽量化、組み立て作業の軽減などの効果をもたらしています。