回転粘度計

回転粘度計とは

回転粘度計とは、液体や流体の粘性を測定するための装置です。

化学工業や食品産業、製薬業界など幅広い分野で使用されています。回転粘度計の基本的な原理は、液体の中で円筒や円錐形の回転子を一定の速度で回転させ、その際に発生するトルク (回転の抵抗) を測定し粘度を算出することです。トルクは液体の粘性に比例するため、回転速度や回転子の形状を適切に設定することで高い精度で粘度を測定できます。

回転粘度計はニュートン流体と非ニュートン流体のいずれにも対応できるため、多種多様な流体を測定可能です。水のような低粘度の液体からオイルや樹脂のような高粘度の液体まで、広範囲に対応できるのが特徴です。また非ニュートン流体の場合、粘度がせん断速度に依存して変化するため、回転速度を変えることで詳細な流体特性を把握することが可能です。

回転粘度計の使用用途

回転粘度計の使用用途として、食品産業での品質管理、化学工業での工程制御、石油産業での潤滑油の評価、化粧品業界での感触評価の4つを解説します。

1. 食品産業での品質管理

食品産業では、ソース、シロップ、クリームなどの粘性が製品の品質に影響します。回転粘度計を使用することでこうした食品の粘度を測定し、口当たりなどの品質を保証できます。

2. 化学工業での工程制御

化学工業では、塗料、接着剤、樹脂などの粘度が製品の性能につながります。回転粘度計を使用することで製造工程中の粘度をリアルタイムでモニタリングし、適切な制御を行うことが可能です。

3. 石油産業での潤滑油の評価

潤滑油やギアオイルの粘度は機械の性能や耐久性に影響を与えます。回転粘度計は温度や圧力の変化による粘度の変化を詳細に測定するため、製品開発や品質管理において重要です。

4. 化粧品業界での感触評価

化粧品では、クリームやローションの粘度が使用感や均一な塗布性に影響します。回転粘度計を用いることで製品の感触や使用時の特性を測定し、適切な配合を実現できます。