外付けHDD

外付けHDDとは

外付けHDDとは、パソコンやテレビなどの機器に対して外部接続で使用するHDD (ハードディスクドライブ) です。

一般的なパソコンの内部ストレージとして使用される内蔵HDDとは異なり、USBポートなどに接続して使用される製品です。データのバックアップや、内蔵ストレージの容量が十分でない場合の拡張として使用され、様々な種類の製品があります。

なお、外付けHDDの中でネットワークに対応した製品はNAS (ネットワークハードディスク) と呼ばれます。

外付けHDDの使用用途

外付けHDDの主な使用用途は、データのバックアップ、内部ストレージの拡張、データの持ち運び、テレビの録画などです。

一般的なPCやスマートフォンなどが故障した場合に備えて予め外付けHDDにデータを保存することにより、データの消失を防ぐことができます。バックアップデータを復旧する場合も、デバイスに接続するのみで簡便に使用することが可能です。

PCの内蔵HDDの容量が不足した場合に、内部ストレージを増設するのは簡単ではありませんが、外付けHDDであれば簡単に接続して記録できます。また、ポータブル型の小型の外付けHDDを用いて、USBフラッシュメモリなどでは容量の足りない大きなデータを持ち運ぶことも可能です。

テレビ番組の録画に対応している外付けHDDも多く存在し、記録媒体として使用されます。テレビ番組の録画に使用する際は、録画するテレビでHDDのフォーマットを行うことが必要であり、複数の機器を併用して使用することはできません。

外付けHDDの原理

ハードディスクは、主にプラッタというデータ保存用の磁気ディスクと、データを読み書きする磁気ヘッド、磁気ヘッドを動かすためのアクチュエータから構成されます。通常、複数のプラッタで構成されており、高速で回転するプラッタの両面または片面にデータが記録される仕組みです。

外付けHDDは、パソコンなどの機器に接続するための接続端子を備えています。主な規格はUSB-AやUSB-Cです。USB-Aについては、現在は転送速度5GbpsのUSB3.0以降が主流です。

USB3.0は、従来USB-Aよりも高速化が進んでおり、USB2.0の5倍、USB1.1の200倍以上です。外付けHDDの中には、USB4、Thunderbolt、eSATA、IEEE1394bなどの規格に対応しているものもあります。

外付けHDDの種類

1. 設置タイプ

外付けHDDの形状は、大きく分けて据え置き型とポータブル型があります。据え置きを想定されている製品は、比較的大きさ及び容量が大きく、また、ACアダプターを使用した給電が必要となる場合が多いです。ポータブル型は小型で、USBケーブルからの給電に対応する場合が多いです。

2. 容量

外付けHDDの容量は、大まかには500GBから20TB程度まで幅があります。一般的なデータバックアップやテレビ録画などでは、2TB〜4TB程度の製品が用いられていることが多いです。

3. インターフェイス

外付けHDDには、USB-A、USB-C、USB4、Thunderbolt、eSATA、IEEE1394bなどの端子規格があり、接続したい機器に対応している製品を選択することが必要です。

また、ネットワークハードディスク (NAS) を用いる場合は、ネットワークに接続して1つのHDDを共有したり、複数の機器からアクセスしたりすることが可能です。

4. その他の機能

外付けHDDは製品によって様々な機能が搭載されています。

例えば、複数のHDDをひとつのドライブのように認識・表示できるRAID搭載製品では、HDD故障時のデータ復旧・アクセスが可能になる、複数HDDへの分散書き込みによってデータ保存を高速化できるなどの利点があります。

その他にも、ハードウェア暗号化に対応したもの、静音性の優れたもの、テレビの録画機能に特に特化したもの (24時間連続録画など) 等様々な製品があります。用途に合わせて適切な製品を選択することが必要です。