遮熱カーテン

監修:株式会社エステック21

遮熱カーテンとは

遮熱カーテンとは、特殊素材やコーティングにより、放射熱(輻射熱)を反射し遮るカーテンです。

特別な素材の使用やコーティングが施されており、外部からの熱を反射し、室内の温度上昇を抑える効果があります。冷暖房の効率を向上させることでエネルギーコストも削減でき、特に夏場においては冷房の負担を軽減し、快適な室内環境を保つのに役立ちます。あるいは工場の高熱を扱っている場所で機器・人を守る事が可能です。

デザインや色も豊富にあり、インテリアに合わせやすい点も魅力の一つです。遮熱効果を考慮する際には、カーテンの厚さや素材、裏地の種類なども重要な要素となります。

遮熱カーテンの使用用途

遮熱カーテンを使用する際は、以下を考慮することが重要です。

1. 窓(オフィスビル・一般住宅等)

窓内側に施工すると、夏には日射を、冬の夜間朝方には放射冷却を避けることができ、室内を快適にできます。冷暖房使用の場合はそのエネルギーコストを削減できます。また紫外線カット効果がある製品も多く、家具やカーペット及びフローリングの劣化を防ぎ、長期間にわたり美しい住空間を維持する手助けをします。
網入りガラスの場合、熱膨張によりガラスが割れてしまう恐れがあるので注意が必要です。

2. 工場

工場においては、加熱炉・ボイラー・温水槽等の熱を発する設備が多く、周囲で働く方の熱中症が大きな課題となってます。このような設備に直接遮断ができない場合には、遮熱カーテンや衝立で遮ることで、働く方の暑熱対策となります。また、高温設備に近接する熱に弱い機器、例えば制御盤・端子箱・監視カメラ等の保護にも有効です。

3. オフィスビル

オフィスビルにおいては、遮熱カーテンが職場環境の改善に貢献します。直射日光を遮ることで室内温度を快適に保ち、従業員の集中力や生産性向上に寄与します。また、遮熱カーテンは外からの視線も遮るため、会議室や個人のデスク周りでのプライバシーを保護する役割も果たします。

4. 医療機関

医療機関では、遮熱カーテンが患者の快適性や医療設備の保護に寄与します。病室や診察室において直射日光を遮ることで、患者がリラックスできる環境を提供すると同時にプライバシーも保護します。これは特に長期入院中の患者にとって重要な要素です。

遮熱カーテンの原理

遮熱カーテンの基本的な原理は、主に太陽光の熱を反射することによって室内の温度上昇を防ぐことにあります。具体的には特殊コーティングや特殊素材が使用され、太陽光に含まれる赤外線を反射します。赤外線は熱の主要な要因であり、これを反射することで室内への熱の侵入を抑える仕組みです。

また、一部の遮熱カーテンは熱を吸収する特性を持っているため、外部からの熱がカーテンに吸収され、室内に伝わるのを防ぎます。このようにして、遮熱カーテンは冷暖房の効率を高め、快適な室内環境を実現することが可能です。さらに、特定のカーテンでは空気の層を内蔵することで断熱効果を高めており、熱の伝導を抑える役割を果たします。

使用される材質は様々ですが、代表的なものの一つがポリエステルです。ポリエステルは耐久性が高く、扱いやすい特性を持つため、多くの遮熱カーテンに利用されます。加えて、ポリエステルは色やデザインのバリエーションが豊富で、インテリアに合わせやすい点も魅力です。

アクリル素材も一般的であり、優れた耐候性と色褪せ防止効果を持つため、長期間美しい状態を保つことが可能です。また、遮熱効果を高めるための特殊なコーティングが施される場合もあります。

遮熱カーテンの選び方

遮熱カーテンを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 形式

横開きの①一般カーテンタイプに加え、②ジャバラタイプ、③スライドタイプ、④ロールスクリーンタイプ等があり、状況に合わせて使い分けします。窓に設置の場合は、通常①・④を、高温設備に使用する場合は、②・③も多く使われております。

2. 素材

遮熱性、用途に応じた柔軟性・耐熱性、意匠性・耐久性等を配慮し選定します。高温設備周りに設置する場合は、特に耐熱性や不燃認定有無を確認する必要があります。

3.サイズ

窓に合ったサイズを選ぶことが基本です。カーテンの長さは窓の高さに加えて、好みに応じて床までの長さや窓枠の上までの長さを考慮して選定します。特に遮熱効果を最大限に引き出すためには、カーテンが窓をしっかりと覆い、隙間から熱が入り込まないようにすることが重要です。
工場においては、高温設備と保護したい人や物の間に置く場合は、目的を達成すると同時に作業に支障のない設置場所とサイズを選定する必要があります。

4.縫製仕様

縫製仕様には、裏地や縫い目の仕上がり及び吊り方などが該当します。裏地があるカーテンは遮熱効果を高めるだけでなく、遮光性も向上させるため特に効果的です。また、カーテンの吊り方も重要で、リングタイプやフックタイプなど、取り付ける場所やデザインに合わせて選ぶことができます。

本記事は遮熱カーテンを製造・販売する株式会社エステック21様に監修を頂きました。

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