電子機器ケース

監修:コーワ株式会社

電子機器ケースとは

電子機器ケースとは、電圧測定機や照度計などをはじめとする様々な機器・計器を収納するためのケース・鞄類です。

電子機器を持ち運ぶために使用される鞄製品は、保護性や堅牢性など、一般の鞄とは異なる次元の機能性を有している必要があります。そのため、電子機器ケースは、一般のカジュアルバッグなどとは異なり、専門のノウハウを用いて製造することが必要です。合成樹脂や傷や水に強い合成繊維など、丈夫な素材を用いて製造されます。また、広義には、電子機器を格納する、プラスチック製・金属製のケース、基板ケース、アクリルケース、透明ケースなども電子機器ケースと呼ばれる場合があります。

電子機器ケースの使用用途

1. 鞄型

鞄型の電子機器ケースは、主に下記のような電子機器を格納・携帯するために用いられます。

  • 電圧測定器
  • 振動計測装置
  • 照度計・検査機・検針機
  • 免震機材
  • 自動車用故障診断機
  • 発破器
  • 携帯無線機
  • 医療用小型酸素ボンベ
  • ケーブル
  • 各種小型端末・タブレット端末

これらの製品は、電気計測器メーカー、電子機器メーカー、バルブメーカーなどの依頼によりOEM・ODMなどで製造されている場合が多いです。その他、消防局・消防団、設備保全コンサルタント会社、 鉄工会社、倉庫会社などの利用者側の需要により製造される場合があります。また、リモコンカバーや、ウェラブル端末を携帯して使用する、ウェアラブルスキャナグローブなども製造されています。

2. プラスチックケース・メタルケースなど

電子機器ケースとされているもののうち、プラスチックケースやメタルケースには基板ケースとして使用されるものや、据え置き型の機器ケース、携帯用ケースなどがあります。

下記は使用される機器の主な例です。

  • リモコン
  • 計測器
  • 通信機器
  • 情報収集端末
  • 各種実験・医療機器

防塵・防水用途でアルミダイカストボックスが使用される場合もあります。

電子機器ケースの原理

1. 概要

電子機器ケースは、保護性能や堅牢性能の付加、RoHS指令への対応などが必要です。

中の機器を損傷しないよう、外部には硬質で堅牢な素材が用いられ、内部には、機器を保護するためのクッション材などが使用されます。内装は、機器が動かないよう、機器の形状に合わせてクッション材を型抜きしたり、収納物を固定するための中仕切りを取り付けることなどが必要です。機器を固定するためのベルトが取り付けられる場合もあります。小物や説明書などを収納するためのポケットが取り付けられる場合もあります。

多くの品質項目や工場監査などをクリアする必要があり、非常に高い品質基準が必要です。通常の鞄とは全く異なる製造プロセスで製造されます。

2. 素材

電子機器ケースは、様々な素材が使用されます。

鞄タイプの場合、

  • ナイロン
  • ウレタンフォーム
  • 耐衝撃性コーポリマー
  • ナイロンパイル
  • ポリエチレンフォーム

などの合成素材が中心です。

また、鞄ではなく「ケース」という分類になる製品の場合、プラスチックやメタルなどが使用されます。産業用工業用には特にアルミニウム押出形材、鉄板を用いたメタルケースなどが使用されることも多いです。

電子機器ケースの種類

電子機器ケースは、格納するものに合わせた形状で製造される製品です。そのため、基本的には格納する機器ごとに種類が異なります。

また、ケースが機器の持ち運びを目的としているか、そうでないかにもよって、持ち手の有無や素材など、種類が異なっています。

持ち運びを目的としたケースは軽くて丈夫な合成樹脂・合成繊維などが用いられる方が多いです。表面にポリプロピレン生地などの堅牢な合成繊維を使用したセミハードタイプや、合成樹脂製のハードタイプなどの種類があります。また、ハンドル型の持ち手がついた鞄型の他に、ショルダーベルトがついている場合もあります。計測器など、ケースに入れたまま使用されることが想定される製品は、操作用に透明な窓がついています。

また、通常の機器の保護の他に、防水・防塵機能を付加したタイプでは、更に強固・機密性の高い仕様です。産業用・工業用の据え置き型のケースは重量のある金属が使用される場合もあります。

収納するものや利用シーンに合わせて、適切な仕様の製品が使用されます。

本記事は電子機器ケースを製造・販売するコーワ株式会社様に監修を頂きました。

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