駐車場照明

監修:オプテックス株式会社

駐車場照明とは

駐車場照明とは、駐車場を照らすための照明機器を言います。

駐車場には立体駐車場や地下駐車場などもありますが、一般的に屋外に設置されるものであり、日没から日の出までなど、通常は長時間連続して点灯し続けることが求められます。広いスペースに多くの照明が設置されることも多く、メンテナンスも極力少なくできることが重要です。これらの理由から、現在ではLED照明が主流になっています。

駐車場照明は夜間など暗い時間帯に、駐車場を利用する人たちの利便性や安全面から、大切な役割を担うものです。また車上荒らしなどの犯罪を抑制するためにも、駐車スペースや通路はもちろん、駐車場全体が明るく照らされていることが望ましいとされています。

駐車場照明の使用用途

駐車場照明は、明るさが低い駐車場において明るさを向上させることにより、駐車場の利便性や安全性を高める、または防犯を目的として設置されます。個人住宅の駐車場に設置されるものから、大型商業施設、病院や様々な役所などの公共施設、街中にあるコインパーキングのような有料駐車場などにも設置されています。

駐車場の形態としては平面駐車ができる駐車場、駐車するそれぞれの車が自走して駐車できる立体駐車場、また地下駐車場であれば、駐車場利用時間内は常に明るさを保つために駐車場照明が必要です。

駐車場照明の種類

駐車場照明は、設置したい場所に合わせて、適正な明るさや光が届く範囲のものを選ぶことが大切です。光害 (ひかりがい) という、照明の設置方法や照明の明るさや向きが不適切なことによって、周辺環境に悪影響や迷惑になることを避けなければなりません。

光源については現在はLEDが主流で、60,000時間などの高寿長であることは大きなメリットです。

駐車場照明の種類によっては、調光ができたり、タイマーによって点灯時間が選択できたりするタイプもあります。消費電力を抑えるためにも、周囲の明るさによって照明の明るさも変えられることは大切な機能です。

また、人感センサーを備え、普段は最小限の明るさで照らし、人や車が通るときは明るく照らすものもあります。

また電源ユニットは、従来は安定器と配線によって接続が必要なものもありましたが、現在は本体に内蔵された製品もあります。その他、電源や配線工事が不要なソーラー式照明もあります。

設置場所については支柱に取り付けるタイプの他、地中埋込型の駐車場照明もあります。足元を照らすことはもちろん、地上に支柱などもないため、駐車場全体がすっきりとした見栄えになります。耐荷重も高く、大型トラックの重量に耐えられるのも特徴の一つです。一般的なスポットライトだけでなく、駐車スペースや走行路を示すバーライト・テープライトなどのライン形状の製品を選ぶこともできます。

駐車場照明のその他情報

駐車場照明の明るさ

駐車場の照明に求められる明るさは、駐車場法施行令の第十三条に記載があります。この法令によると自動車の車路の路面は10ルクス以上、自動車の駐車の用に供する部分の床面は2ルクス以上と定められています。以下で説明しますが照度は照明からの距離によって変わるので、照明設備の明るさと照らせる範囲を確認して設置することが重要です。

明るさを示す単位

日中の明るさや照明、テレビやPCモニターなどの明るさには、様々な単位が用いられます。前述の駐車場法施行令に記載されているルクスは照度といい、単位面積あたりに入射する光束量を示したものです。単位はルクス (lux またはlx) が用いられます。

光束とは、光源からある方向に放射された光の明るさのことであり、単位はルーメン (lm) です。照度は距離によって変化するものであり、光源からの距離の2乗に反比例するという「照度の逆2乗則」があります。

一方でルーメンは照明器具固有の値で変わりません。ルクスとルーメンは、例えば地震が発生した際に、観測地点によって震度は異なりますが、地震の規模を表すマグニチュードは一定の値であるのと類似の関係にあります。

本記事は駐車場照明を製造・販売するオプテックス株式会社様に監修を頂きました。

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