敷板

敷板とは

敷板とは、足場の悪い地盤を養生して安全性を確保したり、地面を保護するために使用する板材です。

敷板は工事現場や農地など様々な場所で使用されています。敷板を地盤の上に置いて養生することにより、車両や人がスムーズに安全に通行でき作業環境が整い、地面や周辺道路を傷・汚れから保護します。

敷板は、主に鉄製やプラスチック製、木製のものがありますが、近年はプラスチック製の敷板が使用される機会が増えてきています。プラスチック敷板は軽量であり、運搬や設置・撤去作業の際に重機が不要で作業性・安全性が高く、鉄製に比べて安価であることが利点です。

敷板を使用する際には、耐久性や耐荷重、作業性・安全性などを考慮し、使用用途に合った製品を選択することが大切です。

敷板の使用用途

敷板は様々な場所で使用されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 工事現場

重機などの車両が通行する工事現場では、出入口や現場内の仮設通路に敷鉄板がよく使用されています。敷鉄板で地盤を養生することにより、工事車両や重機、人がスムーズに安全に通行でき、周辺道路を傷・汚れから保護することを可能にします。

近年は、耐荷重のある硬質のプラスチック敷板が開発され、プラスチック敷板が敷鉄板の代わりに使用される機会が増えています。但し、地盤が非常に軟弱な場合や下に穴が開いている場合などは、荷重分散させることのできる敷鉄板が有効です。

2. 仮設駐車場

イベントや仮設工事などで、期間限定で駐車場が必要になる場合に、プラスチック敷板を並べ仮設駐車場を作ることも多くあります。

舗装されていない土地をそのまま駐車場として使用すると、雨が降った時にぬかるんだり泥や小石がはねたりなど不具合があり、使用後に原状回復するのも大変です。プラスチック敷板を敷設することで、車両をスムーズに停めることが可能となり、使用後の敷板の撤去も短時間で安全に行うことができます。

3. 農業・林業

農地や林業の作業場では、舗装がされていなかったりぬかるんだ地面が多々あります。この様な地面にもプラスチック敷板を敷くことにより、トラクターやフォークリフトなどのスムーズな通行を可能にしています。

敷板の種類

以下に、敷板の主な種類を記載します。

1. 敷鉄板

敷鉄板は、鉄やスチールでできた敷板で高強度・耐久性が特徴で、多くの工事現場などで使用されています。

デメリットは、敷鉄板の1枚の重さが数百kgあり、運搬や設置・撤去には重機が必要なことや、プラスチック敷板と比べて高価になることです。

2. プラスチック敷板

プラスチック敷板は、プラスチック樹脂でできた敷板で、軽量で耐水性があり、敷鉄板に比べて安価です。プラスチック樹脂材料の種類により、耐久性や耐荷重などの耐性が異なります。

プラスチック敷板の1枚の重さは30kg前後であり、運搬や設置・撤去の際は重機が不要で、作業を短時間で安全に行うことができます。

プラスチック敷板は敷鉄板に比べると強度が劣りますが、耐荷重のある硬質のプラスチック敷板もあり、敷鉄板と同様に工事現場の地盤養生として使用できます。

使用中のズレ防止としての固定や、強風時にはプラスチック敷板が飛ばない様に固定・撤去するなど配慮が必要です。プラスチック敷板の中には表裏両面に滑り止めが付いているタイプもあり、地盤への固定やタイヤの泥落とし効果が期待できます。

3. 木製敷板

木製敷板は、合板や杉で出来た敷板で: 軽量でプラスチック敷板より安価です。強度が高く加工しやすいことが利点ですが、長期間の使用には不向きです。

木製敷板は建設現場での足場の下に敷く足場用の敷板としてよく使用されています。足場用の敷板は、長さ3~4m程度、幅30cm程度と面積が広いものを用い、複数の支柱を乗せても荷重が分散し足場の重さで地面が沈まないようしています。

4. アウトリガー用敷板

クレーン車や特殊車両の転倒防止装置であるアウトリガーの接地部分には、非常に大きな垂直圧力がかかります。アウトリガーの下にアウトリガー用敷板を置くことにより、クレーン車などの荷重を分散して安定性を確保し路面を保護します。アウトリガー用敷板はアウトリガーベースとも呼ばれ、サイズは50~100cm角、厚みは5cm程度の角型で、材質は高性能ポリエチレン素材などが使われています。

敷板の選び方 

1. 負荷及び材質

足場の悪い地盤を養生するには、地盤の状態や、車両などが敷板にかける負荷を考慮し敷板の材質を選択することが重要です。

また、建設現場における足場の下に敷く敷板やアウトリガー用敷板などは、誤った敷板を使用すると危険なので専用のものを使用します。

2. サイズ

敷板のサイズに応じ重量や作業性、敷設枚数、コストなどが変わるので、これらのバランスを考えたサイズを選択します。仮設道路を作る場合には、タイヤが通る部分にだけ敷板を敷設しコストを削減するなどの工夫もできます。

3. プラスチック敷板の材料

プラスチック敷板の材料であるプラスチック樹脂には、様々な種類があります。

再生プラスチック製のもの、木質バイオマスとプラスチックの複合材料を使用したものなど環境に配慮したもの、バージン材の高密度ポリエチレン製のものなど様々あります。材料により、耐久性・耐荷重・曲げ弾性・引張強度などの耐性が異なるので、使用用途に合った製品を選択することが大切です。