メカニカルシャッター

監修:タカノ株式会社

メカニカルシャッターとは

メカニカルシャッター (英:Mechanical Shutter) とは、光学機器において光を制御するシャッター部品です。

メカニカルシャッターは物理的な部品として設計されており、通常は数十万回のシャッターアクションに耐えられます。高品質なメカニカルシャッターは、長期間にわたって安定した性能を発揮し、過酷な撮影環境でも信頼性が高いです。プロのカメラマンや頻繁に撮影を行うユーザーにとっても安心して使用できます。

メカニカルシャッターの使用用途

メカニカルシャッターはカメラによる撮影に使用される部品です。高速シャッタースピードで動きの速い被写体をシャープに捉えることができます。これにより、スポーツイベントや動物の動きなど、速い動きのあるシーンでの撮影に使用することが可能です。

また、星空や夜景の撮影、光の軌跡を捉える写真などでも使用されます。長時間露光での撮影では、シャッターが開いている時間が長くなるため、メカニカルシャッターの正確な制御が重要です。

被写体が静止しているポートレート撮影にも適しています。シャッタースピードの調整により、背景をぼかしたり、細部をシャープにするなど、様々な効果を狙うことができます。

これらの用途において、メカニカルシャッターはその高い耐久性と精密な制御によって、信頼性の高い撮影ツールとして広く活用されています。

メカニカルシャッターの原理

メカニカルシャッターの構造は非常に複雑で、各部品が密接に連携しています。下記のような部品で構成されます。

1. シャッターカーテン

レンズとセンサーの間に位置する遮光部品です。先幕と後幕と呼ばれる2枚のカーテンから構成され、シャッタースピードに応じて開閉します。撮影時には先幕が最初に開き、後幕が閉じることで露光が終了します。センサーに光がどれだけ当たるかを正確に制御する部品です。

2. シャッターモーター・ソレノイド・アクチュエータ

シャッターカーテンを駆動させる駆動装置です。モーターやソレノイドの場合は電動でシャッターカーテンを素早く動かし、精密な露光制御を可能にします。一部のシャッターではバネや機械的なレバーがアクチュエーターとして機能し、シャッターカーテンの開閉を駆動します。

3. シャッターハウジング

シャッターハウジングはシャッターカーテンなどのすべての部品を正確に位置付けする構造部品です。カメラの内部でシャッターを保護し、外部の衝撃や埃、湿気からほぐする役割を果たします。また、ハウジングは高い耐久性を持ち、長期間の使用に耐えるように設計されています。

4. シャッター回路

シャッタースピードやタイミングを正確に設定するための電子回路です。カメラの設定に応じて、シャッターカーテンの動作を調整します。センサーや他の電子機器と連携し、シャッターの開閉タイミングを精密に制御します。

メカニカルシャッターの選び方

メカニカルシャッターは以下のような要素を考慮して選定します。

1. 開口径

ャッターが開いたときに光が通過する領域の大きさです。開口径が広いシャッターは多くの光をセンサーに届けることができ、暗い環境での撮影や高速シャッタースピードが必要なシーンに適しています。例えば、スポーツイベントや動きの速い被写体を撮影する際には、広い開口径が有利です。

2. 開口時間

シャッターが開いている時間の長さを示します。高速遮光が可能なシャッターは、動きの速い被写体をシャープに捉えることができ、スポーツやアクションシーンの撮影に適しています。低速シャッタースピードは長時間露光を可能にし、動きのあるシーンで光の軌跡を捉えるために有効です。

3. ブレード枚数

シャッターブレードの枚数です。ブレードの枚数が多いシャッターは開閉がより均一で、画像のコントラストやシャープネスが改善されることがあります。これは、特に高品質なポートレートや風景撮影において、シャッターのパフォーマンスを向上させるために役立ちます。

ブレード枚数が少ないシャッターは構造がシンプルでコストが低い場合があります。ただし、画像の均一性や精度に影響を与える可能性もあります。

4. 最大繰り返し速度

シャッターが連続して開閉できる速さを示す指標です。高速な繰り返し速度を有する場合、連写やバーストモードでの撮影に適しています。したがって、多くの画像を迅速に撮影することが可能です。

本記事はメカニカルシャッターを製造・販売するタカノ株式会社様に監修を頂きました。

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