欠陥検査装置

欠陥検査装置とは

欠陥検査装置とは、製品や部品の欠陥を検出するための検査装置です。

特に外観の欠陥検査を行うための装置は、外観検査装置と呼ばれる場合もあります。装置の一部は、赤外線などを用いることで内部欠陥を検出することが可能です。金属製品や樹脂製品の欠陥検出の他、OCRなどを用いて食品パッケージの欠陥を検出することなどにも使用されます。

欠陥検査装置の使用用途

欠陥検査装置は、機械、電子・半導体、金属、食品など様々な製造分野で利用されている装置です。主に下記のような欠陥の検出に使用されます。

  • 製品表面のキズや汚れ
  • 布に付着した汚れや縫製不良
  • 樹脂やゴムの成型時に発生する欠けやバリ
  • 塗装面の変色や色ムラ
  • 食品パッケージなどの印字検査 (OCR) 、穴や異物

また、このような欠陥検査が行われる製品には、下記のようなものがあります。

  • リチウムイオン二次電池の部材 (電極、電極セパレータ)
  • ベアリング・ボルト・ネジ
  • プリント基板
  • 半導体ウエハ
  • フラットパネルディスプレイ⽤の各種フィルム
  • タッチパネル、タッチデバイス
  • 紙・不織布・炭素繊維
  • 板ガラス
  • FCCL用の金属箔
  • 自動車用の鋼板
  • リードフレーム
  • 圧延・電解銅箔
  • アルミ材
  • 食品パッケージ
  • 医薬品容器

欠陥検査装置の原理

1. 欠陥検査装置で検出される欠陥の例

  • 傷やクラック
  • 欠け・バリ
  • 汚れや凹み
  • 寸法異常
  • 位置・角度の異常
  • 異物付着・混入
  • 形状異常
  • 変色
  • 印字不備 (OCR検査)

2. 欠陥を検出する仕組み

欠陥検査装置が欠陥を検出する仕組みには、画像処理方式やレーザースキャン方式などがあります。

画像処理方式では、CCDカメラなどのカメラで撮影した画像データを処理して欠陥検査を行います。あらかじめ良品の情報を登録しておき、撮影したデータと照合して合否判定を行う仕組みです。また、AIを用いて不良検出を行う仕組みも近年取り入れられています。

レーザースキャン方式では対象物に光学レーザーを照射し、反射光の分析によって表面の傷や欠陥を検査します。一般的に、画像処理方式よりも高精度な検査が可能です。また、内部欠陥の検出が可能な製品もあります。レーザーの種類には、平行ビーム型とレーザー集光型、可変焦点方式があります。平行ビーム型が安定した照射が可能であるのに対し、レーザー集光型は検査精度が高いことが特徴です。可変焦点方式は、集光スポットが安定しないというレーザー集光型の弱点を克服しています。

欠陥検査装置の種類

欠陥検査装置には、検査対象物によって様々な種類があります。半導体産業で使用されるウエハ欠陥検査装置や、電子部品用検査装置、不織布向け欠陥検査装置、パッケージの検査などに使用されるOCR文字検査装置などがあります。

1. ウエハ欠陥検査装置

ウエハ欠陥検査装置は、半導体産業で使用されるウエハの欠陥検出に特に特化している欠陥検査装置です。

半導体ウエハには、同じパターンの電子デバイスが並んで製造されます。欠陥は、異物などのごみに起因してランダムに発生することが多く、特定の場所に繰り返し発生する確率は、非常に低いと考えられます。典型的なウエハ欠陥検査装置であるパターン付きウエハ検査装置は、隣接するチップのパターンの画像同士を比較し、その差分を取ることで、欠陥を検出します。

一方、パターン無し検査装置は、異物や欠陥にレーザー光線が当たると、光が散乱することを利用し、レーザー照射と散乱光の検出によって欠陥検出を行います。主に、ウエハメーカーによる出荷検査、デバイスメーカーにおける受け入れ検査、などに使用される装置です。

その他、赤外光による内部欠陥検査を行うことができる装置もあります。

2. 電子部品用欠陥検査装置

電子部品用欠陥検査装置では、各種基板やイメージセンサなどの外観検査を行う装置などがあります。

セラミック基板に発生するクラックや汚れ、オーバーエッチング、パターンショート等の欠陥検査に特化した装置や、出荷前イメージセンサ製品の素子面・ケース内面・ワイヤ接合部・ガラス面それぞれに適した欠陥検査装置などがあります。これらの装置では、微細な異物や欠陥の検出や、膨れや凹みといった立体的な欠陥も検出することが可能です。