家具用キャスター

監修:株式会社石黒製作所

家具用キャスターとは

家具用キャスターとは、家具の移動用に取り付けられる小さな車輪です。

通常は家具の脚の下に取り付けられ、容易に動かすことができるようにします。床面を保護する役割もあり、家具を引きずることなくスムーズに動かすことが可能です。家具の下を掃除する際も、家具を持ち上げることなく、キャスターを使って家具を移動させて掃除を容易にします。

様々なタイプがあり、固定式や360度回転するタイプなどがあります。家具の種類や用途に応じて適切なキャスターを選ぶことが重要です。

家具用キャスターの使用用途

家具用キャスターは様々な業界で使用されます。以下はその一例です。

1. 一般オフィス

オフィスチェアには滑らかで静音性の高いキャスターを装着することがあります。これにより、快適な座り心地と床面の保護が両立されます。デスクの引き出しや収納ユニットにもキャスターを取り付け、必要に応じて移動させることが可能です。

2. 医療機関

病院や診療所で使用される医療カートには、清潔さを保つために清掃しやすいキャスターを取り付けることがあります。また、静音性が求められることも多いです。病院の介護用ベッドにも、安全性と操作性を考慮して設計されたキャスターが取り付けられています。

3. 商業施設

小売店や倉庫で使用される棚には、荷物の管理や移動を容易にするために家具用キャスターが使われています。特に可動棚やディスプレイ棚で利用されることが多いです。これにより、商品の陳列や移動に係る労力を軽減させることが可能です。

また、ホテルの客室では、家具の配置を柔軟に変更できるようにキャスターが付いた家具が使われています。清掃の際にも簡単に移動できるため便利です。

4. 工業

工業用の機器や機械には、移動や保守点検を容易にするための重い荷重に耐えるキャスターを装着することがあります。耐久性と安全性が重視されます。また、荷物の保管と取り出しを効率化するために、ラックなどにキャスターを装備させる場合も多いです。

家具用キャスターの原理

家具用キャスターは、小さな車輪が回転することで家具をスムーズに移動させることが基本的な原理です。材質はプラスチックやゴム、金属などが使用されます。構造としては、フレームやホイール、軸受などで構成されます。

フレームはキャスター全体を支える金属や硬質プラスチック製の枠組みです。車輪を支える軸やボールベアリングが取り付けられます。

ホイールは家具を支える車輪部分です。一般的には車輪とその周囲に取り付けられた保護カバーから構成されています。車輪の材質と形状は、使用される床面や必要な移動性に応じて選定されます。

軸受けはキャスターホイールがフレーム上で回転するための軸の受け部品です。潤滑剤が含まれていることも多く、静音性と耐久性を向上させます。

家具用キャスターの選び方

家具用キャスターを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 許容荷重

家具用キャスターの許容荷重は、キャスターが支えられる最大の重量を示す指標です。適切な許容荷重を選ぶことで、キャスターの寿命を延ばし、安全性を確保します。一般的にはNやkgfなどの単位で仕様書に記載されていることが多いです。

2. 取付座寸法

取付座寸法はキャスターを取り付ける家具の脚や底面寸法と一致している必要があります。キャスターの取り付け穴や取り付け部分の配置を正確に計測し、適合するキャスターを選ぶことが重要です。取付時のねじ寸法なども考慮します。

3. 材質

キャスターの材質は耐久性や使用環境に大きな影響を与えます。プラスチックやゴム、金属などの製品があります。

プラスチック製の場合は軽量で静音性が高く、一般的な家庭やオフィスでの使用に適しています。ゴム製は床を保護することが可能で、耐摩耗性がある点が特徴です。金属製は高い耐荷重性が求められる工業用途で使用されます。

4. ストッパー有無

一部のキャスターにはストッパーが装備されており、家具を固定する際に便利です。ストッパーが装着された製品を使用することで、安全性と安定性を向上させます。

本記事は家具用キャスターを製造・販売する株式会社石黒製作所様に監修を頂きました。

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