熱風乾燥炉

熱風乾燥炉とは

熱風乾燥炉 (英: Hot Air Drying Oven / Drying Machine ) とは、燃料をバーナーで燃焼させ、熱気を炉内に送り込んで対象物を乾燥させる装置です。

熱風乾燥炉は高温の空気やガスを使用するため、乾燥速度が比較的速く、効率的に乾燥できます。これにより、製品や物質の乾燥時間を短縮可能です。

ただし、高温の空気や燃焼ガスを使用するため、火災の危険性があります。燃えやすい物質や可燃性のガスを熱風乾燥炉内に入れないように注意が必要です。

ガスや灯油などを熱源として使用する場合は、排気ガスが多量に排出されます。したがって、熱料率も高く、取り扱いの簡単な電気式熱風乾燥もよく使用されます。

熱風乾燥炉の使用用途

熱風乾燥炉はさまざまな産業や分野で広く使用されています。以下は使用用途一例です。

1. 食品加工・製薬

果物や野菜などの農産物を乾燥させて保存性を向上させたり、食品加工の工程で使用される原料を乾燥させたりします。フルーツチップスや乾燥野菜、乾麺、乾燥したスパイスやハーブなどの製造が使用例です。

また、製薬業界では、薬剤や医薬品の乾燥が重要な工程です。熱風乾燥炉は、薬剤の乾燥や結晶化、凝固のために使用されます。乾燥によって薬剤の安定性が向上し、長期間の保存や取り扱いが可能です。

2. 工業

化学工業では、塗料やプラスチックなどの原料や製品の乾燥が必要な場合も多いです。これらの物質の水分を取り除いて乾燥させるために使用されます。

また、鉱業では、鉱石や鉱物を溶鉱炉に投入する前に乾燥させることが多いです。水分を溶鉱炉に投入すると、溶鉱炉内の熱を奪われるだけでなく、排気ガスも増加してしまいます。熱風乾燥炉を使用してあらかじめ鉱石や鉱物の水分を蒸発させ、取り扱いや処理の効率を向上させることが可能です。

セラミックス製造では、セラミックスの成形や焼成前に乾燥が行われます。熱風乾燥炉は、セラミックス製品の水分を取り除き、均一な品質や耐久性を確保するために使用されます。

3. 木材加工

木材加工業界では、木材の乾燥が重要な工程です。熱風乾燥炉は、木材の湿度を適切に制御し、乾燥させて安定性を向上させるために使用されます。これにより、木材の収縮やひび割れを防ぎ、製品の品質を向上させることができます。

熱風乾燥炉の原理

熱風乾燥炉は、高温の空気やガスを使用して湿った物質から水分を蒸発させます。また、電気加熱要素やバーナーなどの加熱装置を持ちます。この加熱装置は燃料を燃やす、または電気エネルギーを使用して熱風を生成するもので、生成された熱風は高温です。

熱風乾燥炉は送風装置も有し、加熱された空気やガスを熱風乾燥炉内に送り込みます。熱風は高速で送風され、物質や製品の周囲に広がります。熱風は物質の表面に接触し、水分を蒸発させることが可能です。

乾燥中に発生した水蒸気や排気ガスは、排気装置を通じて外部に排出されます。排気装置は乾燥炉内の湿気や有害なガスを除去します。

熱風乾燥炉の種類

熱風乾燥炉には直接乾燥方式と間接乾燥方式があります。

1. 直接乾燥式

直接乾燥式は加熱した燃焼ガスを直接循環ファンにより循環させる方法です。熱効率が高く、短時間で温度を上げることができるというメリットがあります。

2. 間接乾燥式

間接乾燥式はバーナーで熱交換器を加熱し、燃焼ガスとエアを熱交換させて炉内の温度を高めて循環させる方式です。この方法は炉内全体に熱が行き渡るため、乾燥ムラが少ない点が特徴です。また、不完全燃焼によるススが炉内に入る危険性もありません。

また、直接燃焼による火花が引火性成分に接触しないため、爆発の危険性が低いです。乾燥する際に窒素酸化物が塗料と反応しにくいため、塗膜物性を損なわないというメリットがあります。 ただし、熱効率が低く、温度を上昇させるのに長い時間がかかります。

参考文献
https://www.katsuraseiki.co.jp/?page_id=5579
http://www.p-bes.co.jp/product/kansou.html?yclid=YSS.EAIaIQobChMIvqj5utSh7QIVClRgCh3axgD2EAAYASAAEgJNAfD_BwE

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