モーターコントローラ

モーターコントローラとは

モーターコントローラ (英:motor cotroller) とは、モーターの稼働を制御する装置のことです。

モーターは回転運動をする機器を指します。モーターの駆動を制御するためには、制御方式、制御回路、駆動回路が必要です。モーターに単純な回転運動のみさせる場合、電源装置だけで停止と駆動の切り替えを行い、コントロールできます。

しかし、モーターの用途は、家電や自動車、工作機械などの駆動部分として用いられており、単純な停止と駆動だけではできないような複雑な駆動が求められます。動作に合わせて、回転の速さや回転の向きを変えなければなりません。

そのため、センサやスイッチなどから各種信号を受け取り、信号処理をして適切な対応を決めます。そして、モーター駆動回路に指令を出すことで、回転数や方向、速度などの制御を行います。

モーターコントローラの使用用途

身近なものでは、携帯電話のバイブレータや家電製品のドライヤーの風量を調節する機能、電動歯ブラシの振動などにも用いられます。大型なものでは、ゴルフカートやフォークリフトなど、電力から動力を得ている自動車の駆動システムに用いられます。

産業用コントローラは、多軸の動きを滑らかに制御します。この場合、高速で複雑な高精度制御が必要です。半導体製造や検査装置、工作機械などのFA装置は、数nmから数μmの精度を必要とします。こうした高精度の機器から、単純な省力化機器まで、モーター制御の中枢としてモーターコントローラが使用されます。

モーターコントローラの原理

モーターコントローラは、センサーやスイッチなどから送られたモーターからのリアルタイムな信号を受け取り、電力の制御を行うことで、回転数や回転速度、位置決めなどを制御します。モーターは、主にDCモーターやステッピングモーターなどが使用されます。

DCモーターは、加わる電圧の大きさによって、回転速度を変えることが可能です。マイコンを用いたモーターコントローラの場合は、ソフトウェアから信号を発信することで、回転数や回転の向きなどを変化させられます。

ステッピングモーターは、モーターコントローラによる制御により、高精度な位置決めが可能です。回転量の検出が不要である特徴があります。入力パルスに同期して、一定角度づつステップ状に回転します。分解能は、1ステップで、1.8°、0.72°、0.36°程度です。

モーターコントローラの特徴

モーターコントローラは、モーターを使用するシステムの一部の機能を担当します。したがって、上位のコントローラや下流のモータードライバー・採用するモーターとの連携が重要です。

モーターコントローラの大きな特徴は、高度なシステムの場合、多軸のモーターの同期した制御が可能であることです。多軸同期制御は、例えば2次元や3次元空間において直線・円弧・ステップ運動・回転、カム動作、加減速など複雑な動きができます。

モーターコントローラの種類

モーターコントローラには、独立使用可能なコントローラ、産業用パソコン用のコントローラ、PLC用のコントローラなどの種類があります。PLCは、プログラム可能な論理回路の制御装置のことです。

1. 独立使用可能なコントローラ

このタイプの制御コントローラは、上位コントローラのPLC、産業用パソコン、ノートパソコンなどを選択できます。また、上位コントローラがなくても、単独で使用が可能である大きな特徴があります。

数軸の小規模から、数10軸程度の中規模な制御装置を構築する場合に多く使用されます。数nmオーダーの緻密な制御が不要で、サブμmオーダーの制御も必要としない場合です。

2. 産業用パソコンのコントローラ

産業用パソコンのPCIスロットなどに差し込んで使用するカードタイプです。マイコンでは力不足な大規模で、高速の制御を行う場合などに使用されます。

汎用パソコン用の豊富なアプリケーションを利用可能で、高速・高精度の多軸モーターの制御が実現されます。

3. PLC用コントローラ

PLC専用のコントローラです。PLCの単独使用では不可能な多軸高速同期の制御が可能です。PLCとの通信に、各社独自の通信規格や接続方式を用いているのが多く、高速通信制御が容易に実現できます。

参考文献
https://ev-tech.jp/technology/motor/page002.html
https://www.meidensha.co.jp/msj/business/fa/prod_01/prod_01_05/index.html
http://www.tokushudenso.co.jp/product/05.html
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2006/10/p103-104.pdf
https://techweb.rohm.co.jp/motor/knowledge/basics/basics-03/405

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