ミスト装置

ミスト装置とは

ミスト装置

ミスト装置とは、屋外の温度上昇を防ぐ冷却や消火設備などの目的で使用される、水を霧状に噴射して広範囲に散布する装置のことです。

ミスト装置を用いることで、室外の温度を2度から3度下げることができます。ミスト装置によって水を加圧して大気へ噴射するため、ドライミストとなり肌に触れても濡れることなく、不快感を感じません。

打ち水効果のように、水分の蒸発する際に熱気を奪う気化熱現象を利用して周囲の外気温を下げます。冷却のために使用する際、エアコンなどのように室外機などを必要とせず、外に熱を放出しないため、環境にもよい装置です。

ミストノズルの形状やミストポンプが変わることにより、ミスト装置の特徴も変わります。使用目的に合わせて適したミスト装置を選択することで、より効果的に使用できます。

ミスト装置の使用用途

ミスト装置は温度上昇を抑える効果があり、屋外でも部分的に温度が低い場所を作ることができます。そのため、屋外や大型施設などの人が大勢集まることが想定される場所で、熱中症対策の目的などで使用されています。

その他、消毒や薬品をミスト状にして散布することで、家畜の飼育場や、ごみ処理施設などの消毒や清掃の用途にも使用されています。さらに、水の分子中に細かい粉塵を取り込むことで、体内に吸い込むのを防ぐ目的や、加湿効果によって湿度を一定に保つ目的にも使用されています。エンターテインメント業界が、ミストによる演出効果を目的として用いる場合もあります。

ミスト装置の原理

ミスト装置の冷却効果は、気化熱の原理を利用しています。

気化熱は、水が蒸発するために周囲から吸収する熱のことであり、周りの熱を吸収し温度を下げることができます。

ポンプ、ノズル、給水管などで構成されており、給水管から取り入れた水にポンプによって高い圧力を加え、口径が小さいノズルから押し出すことにより、細かい霧を発生させます。微細な霧を作り出すことで気化しやすくなり、触れても濡れないドライなミストを発生させることができます。

ミスト装置の構造

ミスト装置は以下の7つで構成しています。

1. ミストポンプ

ミストポンプはミスト装置の心臓部でポンプにより加圧された水が噴射口径が極小のミストノズルから押しだされ、細かなミストを発生させます。圧力が高くなればなるほど水粒子は細かく、粒子の数は多くなります。

7MPa近くまで加圧する高圧ポンプを使用するとミストの粒子径は大半が5ミクロン以下となり、ドライミストの状態となる。ミストが地面や床に落下するまでに大気中で蒸発し、そのときの気化熱で周囲の温度を引き下げます。

2. ミストノズル

ミストノズルとは、ミストポンプで加圧した水と大気中の空気を混合させて微粒化させ、噴霧するためのノズルです。ミストノズルは噴霧口の口径が異なり、噴霧口が小さくなればミストの粒子は細かく、気化しやすくなり噴霧する際の水の量が少なく済みます。

3. 給水管

水源から取り込んだ水をミストポンプへ送るための通路の役目を担っております。

4. フィルター

ミストポンプの中に異物やカルシウムが目詰まりしないように、給水管にフィルターを取り付け防止します。

5. 水抜きドレイン

ミスト装置の稼働停止後に給水管に留まっている水を抜くためのものです。ポンプの稼働停止後に、水滴の落下を防止したり、ミストノズルが水中のカルシウムによって目詰まりするのを防止するため、ミストポンプ前の給水管に取り付けます。ドレインは機械式ドレインと電気式ドレインがあり、電気式ドレインの方がより早く配管内の圧を抜き、排水をするため、ミストノズルからの水滴落下をより防止します。

6. ミストファン

ミストファンは、ミストの大気中での漂流する時間を長くし気化を促進します。ミストの効果をより広範囲に及ぼすことができます。

7. 水源

ポンプに給水するための水源が必要です。水タンクを使用する場合は、必要な流量を供給できるポンプを設置してください。

8. 電源

ミストポンプを稼働させるために電力供給する必要があります。電源は使用するポンプに必要な十分な電気容量のある電源を選定する必要があります。

参考文献
https://www.yamatoprotec.co.jp/products/mist/microfogc/
https://www.i-res.co.jp/mist
https://mistdotcom.jp/item/about.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です