精米機

精米機とは

精米機とは、玄米から糠と胚芽を取り除いて精白を行う (白米にする) ための機械です。

精白米だけでなく、玄米の栄養を残して7分づき (糠を70%取り除く) 、5分づき (糠を50%取り除く) など、製品によって精米度合いを変えることができます。また、白米よりも更に精米度合いを上げると、無洗米にすることも可能です。

一般消費者の利用を想定したコイン式精米機、米穀店などで利用される業務用精米機の他、家庭用精米機、農家用精米機などの種類があります。

精米機の使用用途

精米機は、玄米を精米して白米にするために用いられる機械です。消費者が玄米を購入して各自で精米を行うことが一般的である地域では、ある程度まとまった量の玄米を精米して持ち帰る目的でコイン式精米機が用いられます。

また、現在では、精米したての食味に優れた白米を食べたいというニーズから、家庭用の精米機も多数販売され、用いられるようになっています。家庭用精米機にも様々な種類があり、用途や容量に合わせて選択することが可能です。

業務用精米機は、米穀店などの小売店で玄米を精米して販売する目的で用いられる他、白米を大量生産・大量販売するために大型の精米プラントが用いられています。

精米機の原理

1. 稲の収穫から精米まで

米が実った稲穂は、コンバインで根もとから刈り取られ、「脱穀」によって稲の穂先から籾を分離します。分離した籾は、籾すりという作業によって、一番外側の皮を剥いて玄米になります。

玄米には、一番内側の白米になる部分である胚乳と、目を出す部分である胚芽があり、それから外側の果皮・種皮・糊粉層をまとめて糠層と呼びます。精米とは、糠層や胚芽を取り除いて玄米を精白米にする作業です。

2. 精米機の仕組み

精米機の動作方式は、玄米を砥石などで研削する精米方法 (研削式) と、玄米を相互に接触させることで精米する方法 (摩擦式) とがあります。一般的なコイン式精米機や家庭用精米機では、摩擦式の動作機構が採用されています。

コイン式精米機の精米工程は下記の通りです。風圧を用いるため、後述する分類では圧力式に分類されます。

  1. 精米機に投入された玄米は送風によって搗精 (とうせい) ロールへ運ばれる
  2. 搗精ロールへ運ばれた玄米は搗精ロールに沿って回転し、相互に接触することで摩擦が生じ、糠が取り除かれる
  3. 精米された精白米は白米タンクへ運ばれ、糠は風に吹き飛ばされて糠タンクへと運ばれる

精米機の種類

一般的な家庭用精米機やコイン式精米機などに採用されている摩擦式精米機の種類として、下記のようなものが挙げられます。

1. 撹拌式、対流式

精米容器の中で羽根がプロペラのように回転し、米同士の摩擦によって糠を除去します。精米容器はメッシュのかご状になっており、メッシュからこぼれた糠は外側の受け容器に落ちる仕組みです。

2. 圧力式

米を移動させながら圧力をかけることで、玄米同士が接触して摩擦が生じ、表面を削る動作方式です。撹拌式よりもソフトであり、砕米などが発生しにくいとされます。ただし、米が熱を持ちやすいというデメリットがあります。

3. 圧力循環式

圧力式を改良することで圧力型を省スペース化し、循環させて何度も圧力をかける動作方式です。弱い圧力を何回にも分けてかけるので、よりソフトに精米を行うことが可能です。このため、砕米などが更に発生しにくくなっています。

また、精米品質の担保のため、機種によっては動作時の米の温度が上がりすぎないよう、工夫されているものもあります (低温精米・超低温精米) 。それ以外にも研削式と摩擦式を組み合わせた機構の精米機や、ファインセラミックを用いた「刮剝精米方式」など、特殊機構の精米機も開発・販売されています。

精米機のその他情報

家庭用精米機

家庭用精米機では、容量や動作機構などの点で様々な種類の製品が販売されています。容量では、1〜5合対応のものや1升対応のものがあり、精米度は多いものでは15段階の精米度合いに対応します。

3分づきや5分づきなどの低精白から、上白米まで幅広い精米度合いでの精米が可能です。また、動作音の大きさは製品によってばらつきがあるため注意が必要です。静音対応の製品もあります。世帯構成・用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。

参考文献
https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/rice/harvest/milling.html
http://motosyuuriyadesu.blog.fc2.com/blog-entry-94.html
https://seimaiki-fort.com/comparison/
https://www.seimaiki-nakatsuji.com/img/content/PDF/001.pdf