エアゲージとは
エアゲージとは、高圧空気を扱うときにその圧力を測定する器具です。
高圧空気配管やタンクの圧力計を指す場合と、タイヤに入れた空気の圧力を測定する器具を指す場合があります。どちらも同様の構造・原理を有しています。
高圧空気配管やタンクは、正常動作をさせるために日常的に圧力を確認することが重要です。空気入りタイヤには高圧の空気を封入して用いますが、タイヤ本来の性能を発揮するには、適正な空気圧を保つ必要があります。
そのため、エアゲージで空気圧を測定することはいずれにおいても重要な役割を持っています。
エアゲージの使用用途
エアゲージの使用用途は、空気圧の確認です。高圧空気配管やタンク用のエアゲージは、実際の圧力が設備に必要な圧力に一致しているかを確認するために用いられます。
タイヤ用のエアゲージは、自動車用、オートバイ用または自転車用の空気入りタイヤにおいて、空気圧を確認する際に有用です。
エアゲージの原理
1. ブルドン管ゲージ
アナログのエアゲージに良く用いられるものはブルドン管ゲージです。曲げて先を塞いだ金属管を用いるもので、圧力がかかると曲がりが伸びます。この金属管の変形に連動して指示針が回転し、圧力を指し示すようになっています。高精度ですが、機械式で精密なものであり、衝撃に弱いことが欠点です。
2. ばね式ゲージ
ブルドン管ゲージと同様に良く用いられるのは、ばね式ゲージです。圧力がばねと拮抗するようになっており、ばねの縮みと連動して圧力が指示針で示されます。構造が単純であり、比較的衝撃に強いことが特徴です。携帯型のタイヤ用エアゲージや、高圧配管の日常点検用圧力計に用いられます。
3. ダイヤフラム式ゲージ
ダイアフラムとは隔膜のことです。圧力によって隔膜がへこむ状況を検出し、圧力を測定するものを指します。検出方法には、隔膜をブルドン管ゲージに繋いで機械的に測定する方法や、隔膜の変形を電気的に読み取る方法があります。
エアゲージの種類
1. 高圧空気配管・タンクの圧力計
高圧空気配管・タンクの圧力計をエアゲージと呼ぶことがあります。日常点検時に正常範囲であるか確認するときに用いられ、耐久性の高いばね式のものが主流です。
2. タイヤ用エアゲージ
エアゲージと呼ぶ場合、タイヤ用のものを指すのが一般的です。表示方法にはアナログ式とデジタル式、検出した圧力を表示に変換する方法には機械式と電気式があります。アナログ式の場合、ブルドン管式かばね式のゲージが多いです。
携帯用の簡易な小型のものから、ガソリンスタンドや整備工場に常備する精密で大型のものまであります。ブルドン管ゲージは衝撃に弱いため、ゲージ全体がゴムで覆われているものが一般的です。
中には、空気注入弁・操作器具と一体になっているものもあります。具体例として、タイヤのエアーバルブに差し込み、グリップを短く握ると空気が抜け、長く握ると空気が入るようになっているものが挙げられます。このタイプはエアータンクに接続して使用します。
エアーバルブのその他情報
空気圧の単位
圧力のSI単位はPaです。通常、空気圧ゲージも Pa単位で表示され、特に高圧空気配管・タンク用のゲージは安全のため単位の統一が重要であり、SI単位の使用が徹底されます。一方、タイヤ用のゲージは、100kPa単位で目盛を振っているものが多いです。
乗用車タイヤの空気圧が200kPa程度であるため、この目盛が見やすいことが理由として挙げられます。また、日本ではタイヤ空気圧にkgf/cm2が用いられてきたことも理由の一つです。
100kPaが約1kgf/cm2であるため、100kPa単位で目盛りを振ることで、どちらの単位になじんだ人も大きな違和感なくゲージを扱うことが可能です。現在でもkgf/cm2やbar表示のゲージが販売されています。
外国製の空気入れなどの器具は、外国で一般的な単位で表記されている場合もあります。英国ではpsiで表記されることがあります。目安として、30psiが約200kPaに相当するものです。