ばい煙測定

ばい煙測定とは

ばい煙測定

ばい煙測定は、日本における大気汚染防止法の「第16条:ばい煙量等の測定」により、環境省令で定められた「ばい煙発生施設に係るばい煙量」と「ばい煙の濃度」を測定し、その結果を記録しなければなりません。

ばい煙とは、燃焼などにより発生するイオウ酸化物やスス、有害物質のことを指します。有害物質には、カドミウムとその化合物、塩素、塩化水素、フッ素、フッ化水素、フッ化ケイ素、鉛とその化合物、窒素酸化物があります。

大気汚染防止法では、一定規模を超えた施設が、ばい煙発生施設の対象となっています。ばい煙の排出基準には、一般排出基準と特別排出基準、上乗せ排出基準、総量規制基準があります。

ばい煙測定の使用用途

大気汚染防止法に伴うばい煙の測定項目や頻度については、環境省により公開されています。そして、測定の義務は、大気汚染防止法の第16条により規定されており、ばい煙の測定と頻度は、同法の施行規則である第15条に規定されています。

ばい煙の測定は、各項目に分けられており、例えばガス専焼ボイラーやガスタービン、ガス機関では、硫黄酸化物排出量が10m3N/時以上と未満により区分が分けられています。

10m3N/時以上の場合は、硫黄酸化物の測定を総量規制地域内の特定工場において、常時行う必要があります。また、総量規制地域外の場合は、2ヶ月に1回以上の測定を行わなければなりません。

10m3N/時未満の場合は、硫黄酸化物を測定する必要はありません。

窒素酸化物は、排出ガス量も関係しており、排出ガス量が4万m3N/時以上と未満により測定頻度が異なります。

硫黄酸化物排出量が10m3N/時以上のときに総量規制地域内の特定工場であれば、常時行う必要があり、総量規制地域外であれば、2ヶ月に1回以上行わなければなりません。

さらに、排出ガス量が、4万m3N/時以上の場合は、同上の条件と同じですが、4万m3N/時未満の場合は、総量規制地域もしくは総量規制地域外のどちらの場合でも年2回以上の測定が必要です。もし、4万m3N/時未満の場合において、継続して休止する期間が6ヶ月以上の施設の場合は、年1回以上の測定が必要になります。

硫黄酸化物排出量が10m3N/時未満の場合は、窒素酸化物の測定頻度は、硫黄酸化物排出量が10m3N/時以上の場合と同様です。

ばいじんの測定については、硫黄酸化物の排出量がどちらであっても5年に1回以上の測定と定められています。

ばい煙測定の原理

有害大気汚染物質の対策を推進する取り組みとして、現在、有害物質の対象となっている物質には23種類あり、対象になり得る可能性がある物質には、248種類もの候補があります。有害大気汚染物質として、早急に排出抑制が必要な物質には、ベンゼントリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが該当しています。

ばい煙測定の結果を判断するには、大気汚染防止法の「ばい煙の測定分析方法に関する事項」を確認する必要があります。この項目は、一部が改訂されましたが、ばい煙濃度に関する測定値の取り扱い方法などが記載されています。

同法によると、ばい煙の排出濃度は、一定ではなく変動し、分析には誤差を伴うため、排出基準値と測定値の比較は、原則として複数回の測定データの平均値とするとしています。そして、測定値の有効数字は、原則として2桁とし、3桁目以下は、切り捨てます。また、測定値の有効範囲は、±10%を目安にしています。

試料の採取方法では、ばい煙の採取時期をひとつの工程の期間内で行い、測定値をこの期間の平均値として取り扱います。さらに、ひとつの工程に必要とする時間が長い場合は、測定時間を工程内における適正な期間に設定します。しかし、工程の期間が明確ではない場合のばい煙発生施設では、試料の採取時期を排出濃度が平均的な濃度に設定される時期において行います。

例えば採取時間が20分までの場合は、採取回数を5回程度に設定します。20分〜40分であれば、採取回数を4回程度に設定します。

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