鋼管

鋼管とは

鋼管

鋼管 (英: steel pipe) とは、鋼を用いて作られる管状の物体です。

鋼帯、厚板、ビレットなどの別の形状に加工して用いるため、通常は二次製品として扱われます。

鋼管は製造方法によって継目無し (シームレス) 鋼管、鍛接鋼管、電縫鋼管、アーク溶接鋼管に分類可能です。材料によってステンレス鋼管、炭素鋼鋼管、合金鋼鋼管に分けられ、用途によって配管用鋼管、構造用鋼管、熱交換用鋼管に分けられます。熱間仕上げや冷間仕上げなど、仕上げによっても分類されます。

鋼管の使用用途

鋼管は汎用性が高く、幅広い領域で使用されています。

最も一般的な鋼管の使用用途として、配管が挙げられます。配管は、液体や気体などを輸送する管です。土木、建築領域で鋼管は、ガス、油、空気、水などを輸送するために使用されます。

鋼管のその他の用途として、階段の手すりやガーデニング材料、フェンスなどが挙げられます。また農業分野でも鋼管は使用されており、具体例はビニールハウスを組み立てる際の骨組みです。

鋼管の原理

鋼管は、製法によって以下の4種類に分類されます。

1. 継目無し (シームレス) 鋼管

継目無し (シームレス) 鋼管とは、管に継目がない鋼管のことです。継目無し鋼管の製造では、まずビレットと呼ばれる鋼からできた円柱を約1,200°Cまで加熱します。続いて、その加熱された円柱の中央部分に特殊な工具を使って、押し広げて穴を開けます。この製法 (マンネスマン法) により、継目無し鋼管を製造可能です。

2. 鍛接鋼管

高温に熱した鋼帯を引き出して、円形に幅方向を変形させます。両端に酸素を吹き付け瞬間的に温度を高めつつ突き合わせると、両端を接合した鋼管が得られます。鍛冶屋が加熱した鉄片を金槌で叩いて接合する原理と同じです。

3. 電縫鋼管

常温の鋼帯を引き出して円形に幅方向を変形させます。接合直前に電流を流し瞬間的に接合部を高温状態にすると、押しつけて両端を溶接でき鋼管が得られます。自己溶接であるため溶接材料は必要ありません。

4. アーク溶接鋼管

厚板や鋼帯をアーク溶接によって管に加工した鋼管の総称です。具体的にはUOE鋼管、スパイラル鋼管、板巻鋼管などがあります。

UOE鋼管は厚板をプレス機でU字状からO字状に整形し、接合部をアーク溶接して、エキスパンダーで内側から拡張した鋼管です。スパイラル鋼管は、鋼帯を引き出しつつ螺旋状に整形して両幅をアーク溶接して製造します。板巻鋼管は厚板をロールやプレス成型で円筒状にして、両幅をアーク溶接した鋼管です。

鋼管の種類

鋼管は上述した製造方法による分類以外にも、材料により以下の3種類に分けられます。

1. ステンレス鋼管

ステンレス鋼管は10.5%以上のクロムが含まれた合金鋼を用いて製造される鋼管です。耐圧性が高く、軽量化が可能で鋼管の中で最も使用頻度が高いです。さびにくく長期にわたって使用できます。

2. 炭素鋼鋼管

炭素鋼鋼管は、炭素鋼と呼ばれる鉄と炭素から構成される合金を材料として製造される鋼管です。比較的安いため、油、ガス、水などを輸送する配管として広く使用されています。

3. 合金鋼鋼管

合金鋼鋼管は、炭素鋼にニッケルモリブデン、クロムなどを添加した合金から製造される鋼管です。鋼管の内側と外側で熱を交換するために用いられます。これを熱交換用配管と呼びます。

鋼管の選び方

1. 配管用鋼管

管内部に気体や液体を通して輸送する際に使用する鋼管です。中を通す物質の温度、性質、圧力によって、使用する鋼管や製法が異なります。

2. 構造用鋼管

機械部品や建築資材に使う鋼管です。機械部品用は機械構造用鋼管とも呼ばれます。建築用には構造用炭素鋼鋼管や建築構造用炭素鋼鋼管があります。

3. 熱交換用鋼管

管の内外面での熱の受け渡しに使用する鋼管です。コンデンサやボイラなどに利用されています。

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