包装資材

包装資材とは

包装資材

包装資材とは、対象物の包装や装飾、保護、運搬などに使用される材料です。包装資材の形態は、さまざまであり、一例として食品に焦点を当てると、食品の容器やトレー、レジ袋、紙袋、フィルム包装、紙ナプキン、緩衝材などがあります。このように包装資材は、製造や販売で使用する包装材の全般が対象となっています。

国内における包装産業の規模は、2020年では、包装・容器出荷額が5兆5,618億円、包装関連機械の生産金額が5,165億円です、また、包装・容器出荷数量は、1,850.0万トンで、包装関連機械の生産数量が275.3千台です。この推移は、2012年の東日本大震災の影響を受けて、同年では、わずかな減少が認められたが、その後に増加の傾向をたどり、以降は、ほぼ横ばい状態で推移しています。

包装資材の使用用途

包装資材は、多くの産業を支えており、包装を機能別に大別すると、物品を輸送または保管するための工業包装と、商的流通における商品販売の促進効果をもつ商業包装に分けられます。工業包装は、保護や配送、費用面に重点をおいており、商業包装は、商品の販売に重きをおいています。

工業包装の例としては、ラミネート製品が挙げられます。ラミネート製品は、防湿や防錆の機能を有するため、精密機器や電化製品、紙、木、衣類、金属製品に使用されています。そのほかにも輸出の包装・梱包材としても活用されています。

ラミネート素材には、アルミ箔やポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などがあります。

商業包装の例としては、ギフト用のラッピングが挙げられます。ギフト用ラッピングは、包装の見た目を自由に加工できるため、商品のデザインを消費者に合わせてアレンジできます。

ラッピング素材には、紙や布、ポリプロピレン(PP)、ダンボールなどがあります。

包装資材の原理

包装資材は、成長を続けている産業であり、1962年の包装・容器出荷金額は、紙板紙製品の合計額が2,089億円となっており、プラスチック包装資材の合計額が262億円、金属製資材容器の合計額が939億円です。2020年では、紙板紙製品の合計額が2兆4,969億円となっており、プラスチック包装資材の合計額が1兆5,519億円、金属製資材容器の合計額が8,138億円です。

工業包装と商業包装のどちらも研究が盛んに行われており、昨今では特に原油や海洋汚染の問題に対して懸念があり、プラスチックの研究が進んでいます。

プラスチックは、可塑性があり、加熱により軟化し、任意の形に成形できる有機高分子物質を指します。プラスチックには、主に2つの種類があり、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックがあります。また、容器包装に使われる代表的なプラスチックには、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などがあります。

プラスチックは、バリアー性包装資材としても有用です。バリアー性とは、気体や水分、ガス、日光、臭気などの包装した対象物にとって、害になる物質を防ぐことを指します。

バリアー性包装資材には、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)が多く使われています。一般的には、家庭用ラップやハム、ソーセージなどの食品包装フィルムとして活用されています。しかし、昨今は、環境問題から脱塩素化が推奨されており、使用量は減少しています。そのため、代替品として酸化アルミナや酸化ケイ素などの無機蒸着フィルム、ベンゼン骨格を有するポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を中間層にした三層ナイロンなどが使用されています。

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