ライニング

監修:関西ポリマー株式会社

ライニングとは

ライニング (英: Lining) とは、設備や容器の内部表面に特殊な材料を塗布するサービスです。

腐食や摩耗などから設備を保護するために使用されます。一般的なライニング材料にはセラミックやゴムまたはフッ素樹脂などがあり、化学的に安定している点が特徴です。

ライニングによって基材の表面を覆うことで、腐食または摩耗を防止する効果が期待できます。これにより、設備の寿命を延ばし、メンテナンスおよび修理の頻度を減少させます。危険物や腐食性物質を扱う場合には、設備の損傷だけでなく、漏れによる被液事故を防止する役割も果たします。

また、工業に使用される危険液体が漏洩した場合、環境汚染につながる場合もあります。ライニングはこれらのリスクを最小限に抑えることが可能です。化学プロセスのタンクやパイプラインには、漏れを防ぐためのライニングが施され、プロセスの安全性を高めます。

ライニングの使用用途

ライニングの主な使用用途は以下の通りです。

1. 化学工業

化学工業では薬品や酸・アルカリなどの腐食性物質を使用します。これらの物質は設備や容器の内部表面に腐食や化学反応を引き起こす可能性があります。ライニングは内部表面をこれらの腐食から保護するために使用されます。

ゴムライニングは、柔軟性があり、高い耐摩耗性を持ちます。腐食や摩耗から保護するために使用されています。フッ素樹脂ライニングは高い化学的耐性を持ち、有機溶媒などの腐食性物質に対して有効で、厳しい環境下に適しています。グラスライニングは酸に対して耐食性を持ち、耐熱性に優れています。

2. 鉱業

鉱業では鉱石や鉱物の処理に関わる設備の内部表面が摩耗・腐食します。設備にライニングを施すことで、耐食性を付与して設備の寿命を延ばします。特にセラミックなどの耐火材料によるライニングは高温プロセスに耐えるため、耐火炉や製錬炉の内部に使用されることも多いです。

3. 建設業

建屋の壁面や屋根にライニングが施されることもあります。建屋材料に防水ライニングを施すことで、雨水や雪から建物を保護することが可能です。アスファルトやシート防水材料が一般的に使用されます。地下駐車場や地下管路においても、防水ライニングによって地下水浸透を防ぎます。

ライニングの原理

ライニング加工は一般的に基材表面へ塗布することを指します。基材となる材料は鋼鉄などの金属やコンクリートが多く、基材の腐食・摩耗を防止することができます。目的に応じて様々な種類が使い分けられますが、共通点としては、耐食性の高い材料を使用し、厚めの塗膜を形成する点です。

ライニングは、様々な施工方法があり、厚膜塗装・シートライニング・回転成型ライニングといった手法があります。施工方法によって、塗膜の厚みや特徴が異なるため、用途に合わせた施工方法の選定が重要です。

ライニングの種類

ライニングには様々な種類が存在します。以下はその一例です。

1. フッ素樹脂ライニング

フッ素樹脂を使用したライニングです。耐腐食性と耐摩耗性に優れている点が特徴です。主に化学プロセス設備などに使用され、腐食や化学薬品から設備を保護します。

2. グラスライニング

陶磁器やセラミックを一部として使用したライニングです。耐熱性と酸に対する耐食性が高い点が特徴で、高温のプロセスでの使用に適しています。石油化学プロセスや鉱業業界または冶金業界で広く使用されます。

3. ゴムライニング

ゴムを使用したライニングです。耐腐食性と耐摩耗性に優れている点が特徴です。主に化学プロセス設備などに使用され、腐食や化学薬品から設備を保護します。

本記事はライニングを製造・販売する関西ポリマー株式会社様に監修を頂きました。

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