石材とは
石材とは、土木や建築に使われる岩石のことです。
大きく分けると天然の自然石と人工的に作られる人造石があります。自然石はその生い立ちから火成岩、変成岩、堆積岩の3つに分けられ、さらに火成岩は火山岩と深成岩に分類可能です。また人造岩には、自然石に磨き仕上げで作られるテラゾーや、セメントなどを固めて自然石のように表面処理された擬石、最初から人工的に作られる高分子擬石があります。
石材は耐久性があり、耐火・耐熱性に優れ、光沢の出る大理石をはじめ、重厚感のある趣きが好まれ、建材として様々な場所に使用されています。
石材の使用用途
石材は、岩石の作られる過程で生まれる特徴から、それぞれに適した場所や用途で使い分けられます。耐久性、色、質感、模様によって、土木、建築、石碑、墓石、工芸品、美術などの材料に利用されます。
石材は大理石や御影石に分類され、大理石には結晶質石灰岩、ドロマイト、トラバーチン、蛇紋岩なども含まれます。主に内装向けの装飾用として使われ、国会議事堂の内装には国産大理石が35種使用されています。それに対して御影石は、主に外装向けの石材です。花崗岩を代表として、ハンレイ岩や閃緑岩などの深成岩のほか、片麻岩のような変成岩類も含まれます。
石材の性質
石材は分類ごとに性質が異なります。
1. 火成岩
火成岩は、地下のマグマが噴火で地表に出て、冷却され結晶化した岩石です。代表的な花崗岩や安山岩は、おもに屋外で使用されています。
2. 変成岩
変成岩は、熱や圧力で結晶化した岩石で、代表例が大理石です。光沢のある風合いが好まれ、屋内・屋外とあらゆる場所に使用されています。
3. 堆積岩
堆積岩は、石灰岩が代表例です。他の岩石に比べて強度は落ちますが、吸水性や加工性の良いため、内装材として壁や床に使われています。
石材の種類
火成岩は、花崗岩 (深成岩) と安山岩 (火山岩) に分類されます。
1. 深成岩
深成岩は地中の深い場所で圧力や熱を受けてゆっくり固まり、逆に火山岩は地表近くで急に冷却して固まった岩石です。その中間層で固まった岩石は、半深成岩と呼ばれます。
2. 変成岩
変成岩には、大理石や粘板岩 (スレート) があります。既存の石が圧力や熱によって再結晶化した岩石のことです。
3. 堆積岩
堆積岩は、石灰岩、砂岩、凝灰岩、粘板岩などに分けられます。堆積で形成した岩石であり、熱によって結晶化していません。
石材の選び方
石材は種類によって選び方も異なるため、目的に合わせて選択することが大切です。
1. 花崗岩
花崗岩は強固で見た目が美しくて耐久性があるため、建物の内外装に関係なくあらゆる場所で使用可能です。安山岩は耐久性や耐火性が高く、建物外装に使われます。
2. 大理石
大理石は光沢を放つため、高級感を演出する場面で使用可能です。粘板岩は表面に波のような筋模様があり、流動的な空間を演出できます。
3. 石灰岩
石灰岩は吸水性が高いです。砂岩は灰色や黄土色などの落ち着いた色合いで、ガーデニングに適しています。凝灰岩は軟らかくて強度が低いため採石や加工が簡単で、耐火性に優れ、石塀、石蔵、岩風呂などに利用可能です。粘板岩は建築材料だけでなく、習字の硯にも用いられます。
石材の構造
石材の構造は種類によって異なります。
1. 安山岩
安山岩は火山から噴出し、地表近くで塊状、柱状、板状に露出した岩石です。 斜長石や角閃石で構成され、灰褐色が多く、光沢がありません。
2. 花崗岩
花崗岩は地殻内でマグマが冷えて固まった結晶質です。石英、黒雲母、カリ長石の結晶から形成されています。
3. 大理石
大理石は地中深くで固まり、非常に硬くて丈夫です。石灰質の混入鉱物で色が変わり、白、グレー、ベージュ、紅、緑、黒など、多種多様な色があります。
4. 石灰岩
石灰岩は炭酸カルシウムなどで構成される岩石です。地表に軽石、貝、動物の遺骸、火山灰、火山砕屑物が堆積して生まれます。砂岩は長石や石英などの荒い粒が水中に堆積した岩石です。
5. 凝灰岩
凝灰岩は砂、火山岩、岩塊片のような火山噴出物が、陸や水中に堆積して凝固した岩石です。粘板岩は均一な非晶質の板状組織を有します。