サーボドライバ

サーボドライバとはサーボドライバ

サーボドライバとは、サーボシステムにおいて、コントローラーで設定した値に従ってサーボモーターを制御するための装置です。

サーボシステムは、高速・精密制御を行うため産業機器に欠かせないモータードライブのシステムのことですが、これを実現するのがサーボドライバといっても過言ではありません。サーボドライバはサーボモーターの負荷トルクに応じた仕事を行うための電力を供給することが主な役割です。

電力変換を行う部分とモーターの状態を検出し、制御演算を行う部分に大きく分けることができます。

サーボドライバの使用用途

サーボドライバは、産業機器から工作機械まで幅広い分野で使用されているサーボシステム内にモーターと対に用いられています。例えば、自動車製造工場の産業用ロボットです。産業用ロボットは、予め決まった動作を正確に繰り返すことが要求され、その目的に沿うための動作を具体化しています。

これを実現するためには、行う動作に必要なモーターの負荷に見合った電力を正確に供給する必要があります。サーボドライバは、モーターの状態を監視しながら、的確な電力を供給し、決められた位置への移動やトルクを実現しています。

他にも半導体製造装置や医療機器など、精密な動作が要求される場面で広範囲に使用されている状況です。

サーボドライバの原理

サーボドライバの原理は、モーターの制御を非常に精密に行うために、回転角度やその速度、電流などのモーターの状態を緻密に、センサーで監視しながら電気的にフィードバックするアンプ動作にあります。そのアンプ動作の実現のためのコントローラー部は、一般にPLC (Programmable Logic Controller) などが用いられ、設定値の設定と情報の送信が行われます。

サーボドライバは、目標の設定値制御に向け必要な電力を供給しますが、より正確な制御を行うためにはサーボモーターの動作が設定値を達成したかどうかをモニタし、適切なフィードバックを行う必要があります。そのため、サーボドライバには通常エンコーダと呼ばれるセンサーが内蔵されています。

エンコーダとは、モーターの角速度や回転数を検出するためにスリットが入った円盤とフォトダイオードが組み込まれています。円盤はモーターのロータと連動して回転するため、スリットを通過する光信号を検出すれば回転数や速度をモニタすることが可能です。

フォトダイオードでこれらの光信号を検出し、電流に変換してアンプ部へフィードバックします。アンプ部は一般にPWM方式が用いられ、交流を直流に変換したのち、任意の周波数に変換することでモーターを駆動しています。このブロックは、コンバータ部と平滑回路部、およびインバータ部の構成です。エンコーダ情報は通常、インバータ部へフィードバックされます。

サーボドライバのその他情報

1. インバータとサーボの違い

モーター制御という意味では、インバータもサーボも同じなのですが、両者はその特徴が大きく異なり、その使用用途も大きくは2分類に区分されます。

インバータ
インバータは、エアコンやエレベータ、エスカレータなど社会インフラや、産業機器、家電品にいたるまで幅広い分野で用いられています。特徴は、モーターの速度を制御し滑らかに安定化させて動かしたい用途向けであり、特に定期的に連続動作を低消費電力で実施したい場合にその強みが発揮可能です。

サーボ
サーボは速度制御を緻密に調整可能であるため、高い精度が特徴です。機械の動作の位置に関する制御を高速かつ高精度に行いたい場合に、サーボが選定されます。

2. サーボドライバのフィードバック制御

エンコーダからのセンサー情報をもとにクローズドループ制御が通常用いられるサーボドライバですが、実際にはワークの収縮や軸間毎のズレなどにより、フィードバック制御を用いても所望の動作からのズレが発生する可能性があります。このために、各種の位相補正機能が用意されているサーボドライバが存在します。

また、制御のタイミングによっては立ち上がりや立ち下がりの時間において、必要な回転数や位相角に到達するまでの時間を短縮し、通常動作時には一定の回転数を確保するといった角速度の微調整が重要なアプリケーションも実在します。

参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/products/column/servo/servo_01.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj1983/25/7/25_7_1036/_pdf

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