監修:ミネベアミツミ株式会社
金型内圧センサーとは
金型内圧センサーとは、金属製の成形型内部の成形プロセス圧力を監視・計測するためのセンサーです。
様々な形状やサイズで成形プロセスに合わせて製造されます。一般的に金型の内部に取り付けられ、圧力変化をリアルタイムで正確に計測します。製品の品質を一貫して高めるのに役立ち、不良品の検出や品質のコントロールが容易になります。
また、センサーデータを使用して成形プロセスを最適化することも可能です。これにより材料の無駄を減少させ、製品の生産サイクルタイムを短縮することが可能です。プロセス内での問題をリアルタイムで検出できるため、トラブルシューティングも迅速かつ正確に行えます。
金型内圧センサーの使用用途
金型内圧センサーの主な使用用途は下記の通りです。
1. 金属成形
金属製品の成形プロセスでの使用例として、自動車部品や電子部品などの製造において、成形プロセスの監視と品質管理に利用されます。これによりプロセスの安定運転とリアルタイム監視が可能です。
2. プラスチック成形
プラスチック成形業界では、射出成形プロセスにて使用されます。プラスチック原料を加熱して金型内に射出・冷却して製品を形成する際に、圧力センサーによってプロセスの安定性と品質を確保することが可能です。プラスチック容器や電子機器のケースなどが製造製品の一例です。
3. ガラス成形
ガラス成形工場では、ガラスの成形プロセスを監視します。ガラスの加熱と成形工程での圧力変化を計測し、ガラス製品の品質と寸法の一貫性を確保することが可能です。ガラスボトルや光学レンズなどの製造に利用されます。
3. 圧延
金属材料の圧延プロセスでは、圧延時の圧力をモニタリングして、板材やロール材の寸法と品質を管理することが可能です。建設資材や鋼材などの製造に用いられます。
金型内圧センサーの原理
金型内圧センサーの動作原理は、金型内部で発生する圧力変化を検出し、その情報をセンサーを介して測定することです。主要な部品は金型内部の圧力を感知するセンシングデバイスであり、圧力の変化に応じて物理的または電気的な性質が変化します。一般的なセンシングデバイスには圧電素子やストレインゲージ、ピエゾセンサーなどが使用されます。
センシングデバイスが圧力変化を検出すると、それを電気信号に変換します。圧力の変動が電圧または抵抗の変化として発信されることが多いです。これらの信号をセンサーからの出力として使用します。
センサーからの電気信号はデータ収集装置または制御システムに送信されることが多いです。このシステムはセンサーからの情報を収集し、必要に応じてデータ処理を行います。信号の増幅やフィルタリングなどの処理を実施し表示装置などに出力される仕組みです。
金型内圧センサーの選び方
金型内圧センサーを選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は選定要素の一例です。
1. 電源電圧
常に電力供給が必要であるため、センサーの電圧仕様が使用可能な電源と一致することを確認することが重要です。一般的な電圧範囲は、5VDCから24VDCまでですが、センサーメーカーやモデルによって異なる場合があります。
2. センサー種類
金型内圧センサーには圧電センサーやピエゾセンサーなど、異なるセンサー種類があります。適切なセンサー種類を選択するために、測定対象の性質や要件を考慮することが必要です。
3. 測定レンジ
センサーの測定レンジは、センサーが対応できる圧力の範囲を示す指標です。測定する圧力レンジがその範囲内に収まる必要があります。過大な圧力を加えるとセンサーが破損する可能性があるため、適切な測定レンジを選択することが重要です。
4. 出力形式
センサーが生成する電気信号の形式を示す指標です。一般的な出力形式にはアナログ電圧出力 (DC1～5V) やアナログ電流出力 (DC4～20mA) があります。シリアル通信などのデジタル通信が可能な製品も存在し、システムの互換性やデータ処理の要件に合わせて選択する必要があります。
本記事は金型内圧センサーを製造・販売するミネベアミツミ株式会社様に監修を頂きました。
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