ワンサイドボルト

監修:株式会社ロブテックスファスニングシステム

ワンサイドボルトとは

ワンサイドボルトとは、片側から部材を締め付けるボルトのことです。

部材を締め付けるために用いられる一般的なボルトナットが部材の手前側と裏側で締め付けるのに対して、ワンサイドボルトは片側から部材を締め付けることが出来ます。

部材の裏側に手が入らない箇所や、片側から締め付けた方が作業効率が良い場合に用いられます。

ワンサイドボルトの使用用途

ワンサイドボルトは主に建築、土木、橋梁、建材などに使用されます。

1. 建築

建築業界では主に耐震補強工事において部材の取り付けに使用されます。例えば角形鋼管へのブラケットの取り付けや、柱への補強部材の取り付け等です。

また、現場溶接が出来ない稼働中の工場や火気厳禁の木造建築内部など、ワンサイドボルトを使うことで思わぬ事故や火災のリスクを下げることが出来ます。

2. 土木

土木業界で主にインフラ構造物の補修や補強に使用されます。例えば、鋼橋の耐震補強や鋼板腐食部の補強、鋼板溶接部疲労亀裂の当て板補強などを行うことで、構造物の長寿命化に貢献します。

3. 建材

建材などの薄い鋼板の接合に使用されます。例えば、屋根、壁、床材、フェンスなどの施工で、片側から締め付けで作業効率が良い場合に用いられます。

ワンサイドボルトの原理

ワンサイドボルトは、部材の裏側にボルトナットのボルト頭部に相当する部分を形成します。

ワンサイドボルトのタイプには、部材の裏側で筒状の部品を膨らませるものや、拡張するものなどがあります。裏側のボルト頭部に相当する箇所が干渉し、部材の手前側には抜けないものが多いのですが、一部、取り外しが可能なものもあります。

ワンサイドボルトの選び方

ワンサイドボルトを選ぶ際に考慮すべき要因はいくつかあります。以下は選定要素の一例です。

1. 呼び径

ワンサイドボルトの呼び径は、M10前後のサイズが一般的ですが、高力ワンサイドボルトは最大M27まであります。

2. 引張強度

ワンサイドボルトの強度は、普通ボルト程度のものが一般的ですが、高力ワンサイドボルトは最大370kN程度の高強度ものもあります。

3. 適用板厚

ワンサイドボルトは薄板から厚板まで適用可能ですが、板厚に応じて正しい品番を選定しないと、締め付け不良を起こします。

4. 施工方法

ワンサイドボルトの施工は、専用の工具を使用するものや、汎用工具で締め付けが可能なものがあります。専用工具はレンタル可能です。

本記事はワンサイドボルトを製造・販売する株式会社ロブテックスファスニングシステム様に監修を頂きました。

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