テストソケット

テストソケットとは

テストソケット (英: Test Socket) とは、電子デバイスパッケージや半導体デバイスパッケージ (以下、デバイス) の開発過程または出荷前検査でテストするために使用されるツールです。

被測定パッケージのピンアウトに合わせて設計され、ソケットに挿入して必要な接続と測定を確立することができます。これにより、デバイスのテストや開発評価を迅速に行うことが可能です。デバイスの挿抜が簡素で、基板にはんだ付けすることなく開発評価・テストを行うことができます。

テストソケットとデバイスパッケージは、プローブと呼ばれる電極によって接続します。デバイスパッケージのピンとプローブが接触することで、回路が接続される仕組みです。プローブの配置などはソケットによって異なり、用途に応じてさまざまな種類が販売されています。

テストソケットの使用用途

テストソケットの主要な使用用途は、デバイスパッケージの量産テストや評価開発テストです。

量産テストはデバイスの動作と性能を評価し、不良を検出するために行われます。テストソケットはデバイスを挿入しピンへ接触することによって、デバイスのテストを実行するためのツールです。テストソケットを使用することで大量のICを効率的にテストし、不良品を特定できます。このプロセスは品質管理の重要な工程であり、製品の信頼性を確保するために不可欠です。

評価開発テストは、デバイスパッケージを開発する際の性能試験です。開発時点で、半導体チップ等が最終パッケージに加工されます。この形状で正常に動作するか必要な特性が得られるか、開発時点で簡易的に確認する必要があります。基板へ直接実装せずにテストソケットを用いて評価開発を行い特性や動作の確認などを行います。

デバイスパッケージの評価項目

双方ともデバイスパッケージのテストにおいて使用されます。また、テスト時にテストソケットを使用して実施される項目の一例は以下です。

1. ピン配置評価
パッケージ内のピン配置が設計と一致しているかを確認します。また、外観によってパッケージに傷がないかなども確認することが重要です。

2. 電気的特性評価
電圧や電流、周波数特性を測定し、規定値内であることを評価します。絶縁抵抗などを測定・評価する場合も多いです。

3. 機械的評価
デバイスの耐衝撃性や振動への影響など、機械的な評価を実施します。

3. 温度評価
一部の用途ではデバイスの温度特性を評価する必要があります。自動車や航空機に使用される場合がその一例です。テストソケットを使用して、高温環境でデバイスの動作をテストします。

テストソケットの原理

テストソケットの原理は電子デバイスやICの接続およびテストを容易にすることに焦点を当てています。テストソケットは特定のICやデバイスのピンアウトに対応するように設計されており、ICのピンアウト情報を基にテストソケットのコンタクトが配置されます。これにより、ICの各ピンとテストソケットの接続が確立される仕組みです。

テスト用途のため、被測定デバイスを簡単に挿入および取り外すことができるように設計されています。これにより、異なる被測定デバイスを同じテストソケットでテストでき、迅速なテストおよびデバッグが可能です。各ピンにおいて信号を伝達するための役割を果たし、被測定デバイス内部の信号を外部テスト機器に接続することが可能です。

製品によっては、異なるICや半導体デバイスに対応できるようにカスタマイズできることがあります。特定のICパッケージに合わせてピンアウトを変更したり、特別な要件に対応するために設計を調整したりすることができる製品も多いです。

テストソケットの種類

テストソケットはコンタクト方式に応じて種類が存在します。以下はテストソケットの種類一例です。

1. プローブピン系

バネをバレル (パイプ) 内部に保持しプランジャーをバレルに鉸めた構造でプランジャーを垂直に動作 (ストローク) させる構造を持つプローブです。ポゴピン、スプリングプローブとも呼ばれます。プローブピンの種類は大別して両端可動型、片端可動型の2種類があります。また、スプリングの実装の仕方により内バネ型、外バネ型などがあります。

2. 板バネ系

各社メーカーにより、独自の構造となりますが、基本的に金属のバネ性を使いストロークさせるか、ゴムなどを用いてストロークさせる構造でプロービングされます。

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