監視・制御システム

監修:三菱電機システムサービス株式会社

監視・制御システムとは

監視制御システムとは、大規模施設やインフラを構成する機器・装置・設備から、ネットワークを通して情報を集めて監視したり、必要に応じて制御するシステムです。

これを使うことで、施設内に点在する機器・装置・設備の運転状況や稼働状況をダッシュボードで監視しながら最適な制御をすることも可能になります。

監視・制御システムの使用用途

監視制御システムは、工場の生産ライン、エネルギー供給システム、建物のセキュリティシステムなど、様々な用途で利用されます。

例えば工場では、生産設備全体の機器設備を視制御することにより材料投入数量と生産数をリアルタイムに把握し、生産性 (投入量と産出量) をデジタルに把握することで生産性の向上を図ることができます。また、何らかの原因でラインが止まった時の原因究明を迅速化することにもつながります。電力消費を監視制御することにより電気代を抑制するために使われることも多くなりました。

大規模ビル等ではエネルギー監視のみならず照明や換気空調の監視制御により快適性を向上させる効果が期待されます。カーボンニュートラルが叫ばれる昨今、エネルギー消費の削減、太陽光発電等の再生可能エネルギーの最適利用にも活用されるシステムです。

監視・制御システムの原理

監視制御システムは、機器やプロセスの監視、制御、保守を行うためのシステムです。

稼働している機器・設備と中央監視システム (パソコン) をネットワークでつなぎデータ (パルス) を時系列の取得・蓄積して、それを多面的にビジュアルに表示するシステムです。データの蓄積されたデータは自由に取り出すことができ、それを分析することも可能です。実績の多いシステムでは分析のための多くのツールが用意されています。

監視・制御システムの種類

監視制御システムには、様々な種類があります。

1つは、プロセス制御システムです。これは、工場の生産ラインやエネルギー供給システムなどのプロセスを制御するためのシステムです。また、建物のセキュリティシステムや防災システムも監視制御システムの一種です。

これらのシステムは、監視カメラやセンサーを使用して、建物内外の状況を監視し、必要に応じてアラームを発するなどの制御を行います。自動化や遠隔操作の実現、人的リソースの削減などのメリットをもたらし、生産性や安全性の向上に貢献します。

監視・制御システムの選び方

監視制御システムには汎用的な製品が多く、慎重に選定することが必要です。用途と目的を、規模も含めて決めた上でベンダーと相談しながら選定ことが必要になります。主に下記のようなポイントを軸に選定します。

1. 目的の明確化

監視制御システムを導入する目的や、そのために必要な機能・要件を明確にすることが重要です。例えば、生産ラインの効率化や安全性向上など、具体的な目標を設定します。

2. 拡張性

将来の拡張や変更に対応できるシステムを選ぶことが重要です。新たなセンサーやアクチュエータの追加、異なるプロトコルの接続などに対応する柔軟性が求められます。

3. セキュリティと信頼性

監視・重要なプロセスや設備を制御するため、セキュリティが強く求められます。適切なセキュリティ対策や冗長性の確保など、信頼性の高いシステム構築が必要です。

4. 操作性

システムの使いやすさ、操作性も重要な要素です。直感的なヒューマンマシンインターフェースや簡単な設定、モニタリング機能など、使いやすいシステムを選ぶことで、効率的な運用が可能となります。

5. ROI評価

監視制御システムの導入にはコストがかかります。システムの価格だけでなく、運用コストやメンテナンス費用なども考慮します。また、システム導入による効果を評価し、投資対効果 (ROI) を考慮することも重要です。

6. サポート・保守体制

システム導入後のサポートや保守体制も重要な要素です。信頼性の高いベンダーを選び、長期的なサポートを受けられる体制にします。

本記事は監視・制御システムを製造・販売する三菱電機システムサービス株式会社様に監修を頂きました。

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