スイッチングダイオード

スイッチングダイオードとは

ダイオードは、トランジスタやICなどと同じように基本的な電子部品の1つで、抵抗やコンデンサが受動部品と呼ばれるのに対して能動部品とも呼ばれています。

材質としてシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素などの半導体が使われています。

一般的にダイオードは電流や電圧を一定に保つ働きに加え、一定方向にのみ電流を流す働きがあります。

スイッチングダイオードは、一定方向に電流を流している導通状態から、逆方向に電流の向きを切替た場合に遮断状態に切り替わるまでの時間(スイッチング時間)が短いという特性を持つダイオードです。

スイッチングダイオードの使用用途

電子回路において、ダイオードの果たす役割には、主に以下に説明する2つの役割があります。

  • 整流の働き
    商用電源から供給されるのは交流です。他方、電子機器に搭載されているのは、直流回路でこれらの各種制御回路は設計されています。交流で入ってきた電流を直流に変換するために、シリコンダイオードの電流を一定方向に流す性質を利用しています。これを整流化の機能と言います。
  • 検波
    シリコンダイオードにはテレビやラジオなどの放送電波の中から、映像や音声の信号を取り出す機能である検波の機能があります。

一般的にダイオードが有する機能の中で、スイッチングダイオードは、整流および検波用として使われますが対象となるのは小信号です。電源回路における大きな電流の流れを制御するような用途には使えません。

スイッチングダイオードの原理

ダイオードはトランジスタやIC同様、半導体の1つでスイッチングダイオードはその中に含まれるものです。半導体とは、電流をよく流す金属などの導体と電流を流さないプラスチックなどの絶縁体との中間の性質を有する物質のことを言います。

金属はよく電流を流しますが、これは金属原子内の電子が自由電子としてよく移動するからです。金属に電圧をかけると電荷が、自由電子によって運ばれ、その結果電流が流れます。

他方、半導体の場合は、電流の状態により導体になったり絶縁体として動作したりします。

P型半導体とN型半導体は電流を流す仕組みの違いにより分類しています。P型半導体の場合、足りない穴を埋めるように電子が移動していきます。P型半導体は、電子が不足している状態なので+に帯電とします。

N型半導体の場合、金属結合よりも少ない自由電子で電流を運んでいきます。N型半導体は、P型半導体とは逆に、電子が余分な状態なので-に帯電とします。

このP型半導体とN型半導体を接合して作られているのがダイオードの1つがスイッチングダイオードです。スイッチング時間が早くデバイスの大きさが小さいことから小信号処理の用途としてよく使われます。 

参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/diodes/di_what4
https://www.matsusada.co.jp/column/diode.html
https://kurashi-no.jp/I0021164

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