変換基板

変換基板とは変換基板

変換基板とは、ピッチの狭いICやLSI、マイクロプロセッサ等を実験、評価用のユニバーサル基板のピッチ2.54mmに実装するためにピッチを変換するための基板です。

また、開発後の基板の機能拡張に伴い、周辺機器との接続を実現するためにも変換基板を使用します。マイコンボードに搭載されている通信端子を使用してサーボモータやLED等の周辺機器を接続することで、簡単に制御ができるようになります。

変換基板の使用用途

変換基板の使用用途は、ICやLSIならびにマイクロプロセッサを搭載する回路の設計検証です。変換基板を含む評価環境で設計検証を行い、設計完了後には最終的な製品化にあたり、専用の基板を制作します。

設計完了後は変換基板は使用せず、製品基板はIC、LSI、マイクロプロセッサを製品用専用基板に直接実装した基板です。理由として、変換基板を使用する分だけコストがかかることが挙げられます。

ただし、設計期間が限られていたり、制作する製品基板の数がさほど必要ではないような場合には、変換基板を使用したまま製品化を行うケースもあります。

変換基板の原理

1. マイコン基板との接続

変換基板はIC、LSIやマイクロプロセッサのピンピッチからユニバーサル基板のピンピッチ2.54mmへの変換を行います。マイコンピンには汎用入出力や通信などの機能が割り当てられており、変換基板のピンにも機能割り当てが行われています。

変換基板をマイコンに接続する際は、使用したいピン同士の機能が合う変換基板が必要です。適合する変換基板を接続することで、マイコンからの電気信号が変換基板を通して周辺機器に送信可能となります。

2. 評価プロセスでの使用

従来のICのピン間ピッチは2.54mmのものも多く、ユニバーサル基板に直接実装することができました。各種電子機器の小型軽量化および高機能化に伴い、これを制御するICやLSIおよびマイクロプロセッサは高機能化と小型化が進みました。

その結果、ピンピッチもどんどん狭くなり、直接ピンをあてて評価検証することが困難になります。このような中で変換基板を使うことで、ピン間ピッチを2.54mmとしユニバーサル基板へ実装可能となり、評価しやすい環境を作ることができます。

変換基板のその他情報

1. 対象基板の規格

変換基板によりSMD (Surface Mount Device: 表面実装部品) をPGA (Pin Grid Array) に変換するケースがあります。PGAとは、ICの底面に短いピンを格子状に配置したタイプのパッケージのことです。

SMDをDIP (Dual in Line Package) に変換する基板やSMDからメッキしたスルーホール基板などに変更し、さらにQFP (Quad Flat Package) 、SSOP (Thin Shrink SOP) 、MSOP (Mini/Micro SOP) 、SOP (Small Outline Package) の形態への変換基板もあります。

変換基板にICをはんだ付けした後に、変換基板から出ているピンをスルーホールにはんだ付けし、ユニバーサル基板へ挿入します。

2. 機能拡張で使用する変換基板

機器制御用マイクロコンピュータは、周辺の部品と共に基板上に実装されます。製品化完了後、機能拡張が必要となり、例えばLCDやLED等の表示部が必要となると、データの変換基板が必要です。

変換基板側に、サブマイコンおよび周辺部品を実装します。そして、もともとシステム制御を行っていたマイコンと新設したサブマイコン間の通信により機能を拡張させるといった用途に変換基板を使用します。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/el_control/E2200000000/E2204000000/E2204030000/

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