グリッパ

グリッパとは

グリッパ

グリッパ(Gripper)とは物体を把持(掴んで保持すること)する機構を指します。

グリッパの形状は使用用途によって様々ですが、最も多く汎用的に使用されているグリッパは2本の平行な指が直動して物体を挟み込む2指平行グリッパです。このグリッパはロボットアームや直動機構の先端で機能する装置(エンドエフェクタ)として活躍します。

グリッパを活用することで様々な形状の物体の把持・運搬・設置が可能となり、従来は手作業で行っていた作業の自動化や高効率化を実現することができます。 

グリッパの使用用途

グリッパは指の本数や形状、動力の種類に至るまで種々のタイプが存在しますが、ここでは最も一般的な2指平行グリッパについて説明します。

製品の生産ラインなどで一般的に使用されるグリッパは2本の指を空気圧で開閉するものと電動で開閉するものの2種類が主に存在します。また、把持力や大きさ、指の形状にも製品ごとにバリエーションが設けられています。

シリンダなどの直動機構やロボットアームの先端に用いる際には、動力源を揃えたりグリッパの重量を可搬重量以下に設定したりと固定する可動設備に応じた仕様のグリッパが選定されます。

また、把持する物体の形状によってもグリッパの仕様は異なり、曲面をもつ物体や破損しやすい物体を把持する場合には指表面に柔軟材料を設置するなどの工夫が施されています。 

グリッパの原理

グリッパを動力源の違いで大別すると空気圧グリッパと電動グリッパが挙げられます。

空気圧グリッパは内部が2つの閉空間に分かれており、一方の空間に高圧空気を流入させるとグリッパが閉じ、もう一方を高圧にするとグリッパが開くようになっています。この2つの空間に工場内の高圧エア配管を接続し、電磁弁などで接続の切り替えを行うことでグリッパの開閉動作を制御します。

空気圧グリッパはエア配管内の弁の開閉を切り替えるだけで制御可能なためリレーのみの単純な制御でも運用可能であり、機構も比較的単純なために安価であるという利点がありますが、把持力が安定しない点やサイズの異なる物体の把持は得意ではないことが欠点として挙げられます。

電動グリッパは内部にモーターと送りねじが組み込まれており、モーターの回転方向と速度を制御することでグリッパの開閉動作を制御します。

モーターで動作するので複雑な制御を構築することが可能ですが、PLCなどのコントローラーが必要となります。複数種類の物体を把持できる点や開閉幅が用意に変更できる点も利点として挙げられます。

また、より複雑な形状を把持したい場合や人間の動作を学習させたい場合には3指以上のグリッパが使用されることもあります。 

参考文献
https://www.orientalmotor.co.jp/products/solution_application/detail15/
https://www.nbk1560.com/resources/handling_technology/article/electric-gripper/

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