スクラッチ試験

監修: 株式会社アントンパール・ジャパン

スクラッチ試験とは

スクラッチ試験はダイヤモンド圧子を試料表面に接着させ、一定速度で負荷荷重を漸次的に増加させながら試料を移動させ、制御されたスクラッチ痕を作成します。

試料表面に作成されたスクラッチ痕を撮影、解析する事により、剥離荷重、摩擦力、傷の深さ、薄膜破壊時の音響効果等の分析をする事が出来ます。

従来実施されていた評価手法では出来なかった定量化を誰でも簡単に実施が可能になる事で、抽象的だった材料評価、品質の保証を飛躍的に向上することに貢献します。

スクラッチ試験機の動作原理

スクラッチ試験機の動作原理

図1. スクラッチ試験機の動作原理

従来の薄膜・コーティングの評価手法例​

従来の薄膜・コーティングの評価手法例​

図2.従来の薄膜・コーティングの評価手法例​

【問題点】

  • 試験結果が作業者や道具の状態に依存する
  • 定量的な評価が出来ない

スクラッチ試験機は上記の課題を解決するだけでなく、傷の深さ・摩擦力、音響効果等の多角的な分析を行うことで品質の保証の向上・製品開発時間の短縮に貢献します。

スクラッチ試験機の特長

パノラマ画像による傷の比較

傷が入った荷重を密着力(臨界荷重)と定義、定量的な比較が可能

TiNコーティングとTiCNコーティング

図3. TiNコーティング(上) / TiCNコーティング(下)

スクラッチ試験の使用用途

  • コーティングの密着性評価
  • 鉛筆硬度・ウール試験に代わる定量的な評価
  • サイカスに代わる膜の密着性の評価
  • 表面の傷つきやすさの評価

スクラッチ試験機には、材料・印可荷重に応じたナノスクラッチ試験機、マイクロコンビ試験機、レべテスト試験機等、数種類あります。各種コーティングの材質、膜厚、測定目的に応じて、最適な製品を選定する必要があります。

Nmレベルの樹脂コーティングの基材への密着性価、耐傷性の評価からDLCコーティング等のハードコーティングの密着性評価や厚い樹脂材料の破壊試験等の評価が可能です。

本記事は高精度のラボ装置及びプロセス測定システムを製造・販売する株式会社アントンパール・ジャパン様に監修を頂きました。

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